子どもの嘘は「実行機能(がまん・切り替え・記憶)」獲得の証!【Evans, 2013】
前回は以下
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この論文を読もうと思ったきっかけ
最近、りーたん(8歳)は、いろいろ隠れて悪いことをしたり、また、親に対してとんでもない嘘をついたことがあり、「我が子がこんなとんでもない嘘をつくなんて、将来がヤバいのではないか?」と不安になりました。対策はまだですが、まずは親である自分の心を落ち着けるために、
子供が嘘をついても悲観しなくてよいエビデンス
を探しました。
嘘をつくことができるというのは「実行機能」が育っている証拠
というポジティブな論文を見つけたのでNotebookLMに解説してもらいました。
ちなみに、この「実行機能」とは、「科学的に考える子育て 2020」によると、
何かをやり遂げるためには、さまざまな欲望(遊びたい、怠けたい)を抑制し、しなければならないことに集中する
とのことで、料理したり、朝の忙しい時間のマネジメントに必須な能力だそうです。もう少し難しい言葉で言うと、
目的的行動をするには、目的記憶と手順記憶を保持した上で、注意を切り替えたり気持ちや感覚をコントロールしたりするのですが、そうした複雑な脳の働きを「実行機能」という
とのことです。これについては、非常に分かりやすい説明が、「科学的に考える子育て 2020」にありましたが、また、別の機会に、調べてみたいと思います。
論文の題名とリンク

Evans AD, Lee K. Emergence of lying in very young children. Dev Psychol. 2013 Oct;49(10):1958-63. doi: 10.1037/a0031409. Epub 2013 Jan 7. PMID: 23294150; PMCID: PMC3788848.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23294150/
乳幼児期における嘘行動の出現
NotebookLMによる解説














PICO/PECO
📊 PICO分析(介入・比較がある研究として整理)
🟦 P(Population:対象)
- 2〜3歳の幼児(25〜47か月)
- カナダの一般家庭出身、計65名
🟦 I(Intervention / Exposure:介入・要因)
- 誘惑抵抗課題(temptation resistance paradigm)
- 「見てはいけない」と言われたおもちゃを、
実験者が見ていない間に 見た(違反した) という状況
- 「見てはいけない」と言われたおもちゃを、
- その後、
- 「見ましたか?」と質問される(嘘をつくかどうか)
- 併せて評価:
- 実行機能(Executive Function)
- 抑制制御
- ワーキングメモリ
- Stroop課題など
- 実行機能(Executive Function)
🟦 C(Comparison:比較)
- 年齢差の比較
- 2歳児 vs 3歳児
- 認知機能の差
- 実行機能が高い子 vs 低い子
🟦 O(Outcome:結果)
- 嘘をついたかどうか
- 嘘を維持できたか(話のつじつまを合わせられたか)
- 主な結果:
- 年齢が上がるほど 嘘をつく割合が増加
- 実行機能が高いほど嘘をつきやすい
- 多くの幼児は、嘘をついても 後続質問でボロが出る
✅ PICOでの結論(要約)
幼児が嘘をつくかどうかは
「性格」や「道徳心」ではなく、
実行機能(前頭前野の発達)と強く関連している
📊 PECO分析(発達研究として整理)
🟩 P(Population:対象)
- 2〜3歳の幼児
🟩 E(Exposure:曝露)
- 年齢の増加(発達)
- 実行機能の発達
- 抑制制御
- ワーキングメモリ
- 認知的柔軟性
🟩 C(Comparison:比較)
- 年齢が低い群 vs 高い群
- 実行機能が未熟 vs 発達している群
🟩 O(Outcome:結果)
- 嘘をつく頻度の増加
- 嘘を貫く能力(semantic leakage control)は未熟
✅ PECOでの結論(要約)
嘘の出現は
「しつけの問題」ではなく
「認知発達のマイルストーン」
🎯 子育てEBE向け・一文要約(動画用)
- 「嘘をつき始めた=悪いこと」ではない
- 「嘘をつけるようになった=脳が育ってきたサイン」
- 正直さは「心」よりも
👉 前頭前野の発達段階で決まる
次はどれを作りますか?








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