【実行機能】運動が子どもの脳を育てる【Hillman, 2014】
前回は以下
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この論文を読もうと思ったきっかけ

2022年頃、本屋さんで宣伝されまくっていたので、読んでみた記憶があります。たしか、運動すると成績が上がるみたいなことが書いてあった記憶があったので、GeminiとChatGPTに聞いて見つけたのが今回の論文です。
論文の題名とリンク

Hillman CH, Pontifex MB, Castelli DM, Khan NA, Raine LB, Scudder MR, Drollette ES, Moore RD, Wu CT, Kamijo K. Effects of the FITKids randomized controlled trial on executive control and brain function. Pediatrics. 2014 Oct;134(4):e1063-71. doi: 10.1542/peds.2013-3219. PMID: 25266425; PMCID: PMC4179093.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25266425
FITKidsランダム化比較試験による実行制御と脳機能への影響
NotebookLMによる解説















PICO/PECO
■ P(Population:対象)
- 対象:7〜9歳の学童期前半の子ども
- 人数:221名
- 特徴:
- 認知・注意障害や神経疾患のない一般児
- 社会経済的背景(SES)・人種は多様
- 介入前のIQ・体力・BMIなどに群間差なし
👉 「平均的な小学生」にかなり近い集団
■ I / E(Intervention / Exposure:介入)
- 介入内容:
放課後の運動プログラム FITKids - 頻度・期間:
- 平日ほぼ毎日
- 約9か月間(学年度の大半)
- 運動量:
- 1日約70分以上の中〜高強度運動(MVPA)
- 特徴:
- 走る・遊ぶ・ゲーム形式
- 楽しさ重視、競技スポーツではない
👉 「特別な才能」や「英才教育」ではない、現実的な運動
■ C(Comparison:比較)
- 対照群:
ウェイトリスト・コントロール
(=運動プログラムを受けない通常生活)
👉 RCT(ランダム化比較試験)で因果推論が可能
■ O(Outcome:アウトカム)
① 行動レベル(認知機能)
- 実行機能の向上
- 抑制(我慢・注意を保つ力)
→ 正答率 +3.2% - 認知的柔軟性(切り替え)
→ 正答率 +4.8%
- 抑制(我慢・注意を保つ力)
※特に「難しい課題」で差が出た
② 脳機能レベル(EEG・ERP)
- P3振幅の増加
→ 注意資源をより多く割けるようになった - P3潜時の短縮
→ 情報処理スピードが速くなった
👉 「できるようになった」だけでなく
「脳の働き方そのものが変わった」
③ 用量反応関係(Dose–Response)
- 運動プログラムへの参加率が高いほど
- 実行機能の改善が大きい
- 脳指標の変化も大きい
👉 因果関係をさらに強く支持
■ この研究から言えること(EBE的結論)
- ✅ 運動は子どもの「脳の実行機能」を因果的に改善する
- ✅ 効果は
- 集中
- 我慢
- 切り替え
など、学力の土台となる能力に現れる
- ✅ 「体力づくり」ではなく
「脳のトレーニング」でもある
■ この研究から「言いすぎてはいけないこと」
- ❌ 運動だけで成績が直接上がると断定はできない
- ❌ どんな運動でも同じ効果があるとは言えない
- ❌ 教育的・社会的要因を完全に排除できてはいない
(ウェイトリスト対照の限界)
👉 それでもRCT+脳指標つきは非常に強いエビデンス
■ 子育てへのEBE的示唆(超重要)
①「勉強時間を削る=悪」ではない
- 運動は学力を支える基礎能力を伸ばす
② 習い事は「脳に効くか」で選んでもよい
- 勝ち負けより
継続・楽しさ・体を動かす量
③ 勉強前に軽い運動は理にかなっている
- 集中力・切り替え力が上がりやすい可能性
🎬 動画用ワンフレーズ要約
「運動は、体力づくりではなく
集中力・我慢・切り替えを育てる“脳トレ”だった」






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