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学習のための積み木

2023年8月27日

非認知能力を育てるための『学習のための積み木』という考え方があります。

Turnaround for Childrenという組織が2014年に提唱した子どもの発達に関する考え方です。

以前、『私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む』はエビデンス豊富でお勧め教育方法が具体的に書かれていた でも少し触れましたが、Building Blocks for Learning『学習のための積み木』について、もう少し踏み込んでまとめてみたいと思います。

『学習のための積み木』は5段の積み木で、下から積み上げる

出典:https://turnaroundusa.org/wp-content/uploads/2016/03/Turnaround-for-Children-Building-Blocks-for-Learningx-2.pdf

この考え方によれば例えば、上から2番目の段の、

Academic Tenacity (学業での粘り強さ)

を得るためには、一番下の段の、

Self-Regulation (自制心)

ができていないと、得るのは難しいということになります。もちろん、 必ずしもこの考え方が正しいとは限りませんが、こちらのサイトのリンクをたどると、結構、エビデンスはあるようです。

ということで、今回は、一番下の段から順に調べていき、また、りさおの個人的な意見も書き足してしまおうと思います。

1段目:健全な発達 Healthy Development

1段目:健全な発達

1段目は、以下の3つからなります。小学校に上がる前に、できるようになっているとよいかもしれません。

  • 愛着 Attachment
  • ストレス管理 Stress Management
  • 自制心 Self-Regulation

これらをはぐくむためには、

  • 子供をいっぱいほめる(結果褒めではなく、プロセス褒め)
  • ハグする(抱きしめる)、子供を大好きであることを本人に毎日伝える
  • 騒いでいるときは、どうして騒いでいるのか聞いて、自分で解決策を考えてもらう
  • 今のマシュマロ1個と、1週間後のマシュマロ10個とどちらがよいか、よく問いかける(決めるのは本人)

といった感じでしょうか?(上記はりさおの個人的意見です。)

愛着 Attachment (超重要)

愛着:乳児期の愛着(アタッチメント)形成を解説/子どもの非認知能力を高める方法も!

愛着とは、乳幼児期に、養育にかかわる特定の人との間に築かれる情緒的な結び付きのことです。[1]

こどもの自己肯定感を育むには、親(養育者)との「安定型愛着」形成が重要だと「生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て(2022年)」に記載されています。

こどもは、親の愛情をいっぱい受けると、親を心の安全基地として、そこから外の世界へ冒険しに行くことができ、また、不安になったら安全基地である親のもとにすぐに戻って甘えて、心の安定感を得ます。「親から離れて冒険→不安になれば親のもとに戻る」を繰り返すことにより、自分から進んで新しいことにチャレンジするマインドが育っていくという流れだそうです。なので、子どもが甘えてきたときは、思いっきり甘えさせてあげてよい(新しいことにチャレンジして、不安になって戻ってきたときの安全基地として)という考え方になります。

1978年のアインズワースAinsworth氏による「ストレンジ・シチュエーション」の実験[Ainsworth, Blehar, Waters, & Wall. Patterns of attachment: A psychological study of the strange situation. Hillsdale, NJ:Erlbaum,1978. ]によると、愛着は、以下の型に分けられました。

  • 安定愛着型
  • 不安定愛着型:回避型
  • 不安定愛着型:両価型
  • 不安定愛着型:無秩序型

詳しくは、「こころの科学」というサイトの「愛着」のページがわかりやすいです。

この愛着アタッチメントですが、研究が進むと、「異性の心も透視できるようになる」そうです。人は、自分と、恋愛相手が上記の3つのどの愛着の型であるかによって、恋愛するときの態度が決まってしまうというのが、「異性の心を上手に透視する方法(2016年)」の主張のようです。

(参考サイト)

(参考文献)

ストレス管理 Stress Management

自己制御 Self-Regulation

自己制御能力

自己制御(self-regulation)とは、個人的な目標や、社会的な目標に沿って、自己の認知、感情、行動を制御するプロセスのことです[非認知能力:概念・測定と教育の可能性(2021年)]。

『科学が教える、子育て成功への道』(2017年)には、以下のような記載があります。

就学前の子供の自己調節能力が、読み書き能力や語彙の獲得、算数のスキルに関係している

そうです。

2段目:School Readiness

Self-Awareness 自己認識

Social Awareness/Relationship Skills 社会意識/人間関係スキル

Executive Functions 実行機能

3段目:Mindsets for self and School

成長志向 グロースマインドセット Growth Mindset

「能力ほめよりプロセスほめ」の論文を記載したキャロル・ドゥエック(Carol S. Dweck)氏によりますと、

  • 成長志向(しなやかマインドセット、グロースマインドセット growth mindset)とは、人間の基本的資質は努力しだいで伸ばすことができるという信念

とのことです。グロースマインドセットを持っていれば、

  1. 能力を伸ばすことができると信じているので、現時点での自分の能力について、たとえ不本意であっても、ありのままに受け入れることができる
  2. 現時点の自分の能力を正確に把握できるので、効果的な学習をすることができる
  3. 努力こそが人を賢く、有能にしてくれると信じているので、努力できる
  4. 思い通りにいかないとき、うまくいかないときに、粘り強い頑張りを見せることができる

そうです。グロースマインドセットと対照的になマインドセットとして

  • 硬直マインドセット fixed mindsetとは、自分の能力は石板に刻まれたように固定的で変わらないとという信念

とのことです。硬直マインドセットの人は、じぶんの能力を繰り返し証明せずにはいられず、新しいことに挑戦せずに、うまくできるとわかっていることばかりを繰り返す傾向があるとのことです。

自己効力感 Self-Efficacy

自己効力感とは、以下のように定義されています。

上の動画にまとめてみましたので、ぜひ、ご覧ください。

子どもの自己効力感を育む本(2020年)によると、「自己効力感」とは

4段目:Perseverance

レジリエンス Resillience

レジリエンスの定義は、以下ようなものがあります。

  • 困難をしなやかに乗り越え回復する力[レジリエンスとは?]
  • 社会的ディスアドバンテージや、己に不利な状況において、そういった状況に自身のライフタスクを対応させる個人の能力[Wikipedia]

以下にまとめてみました。

レジリエンス(前半)
レジリエンス(後半)

5段目:Independence and sustainability

自己主導性 Self-Direction

好奇心 Curiosity

好奇心:東大理3夫婦も実践する好奇心の育て方 学業成績にも影響大

市民意識 Civic Identity

その他の非認知能力など

  • メタ認知
  • 共感力
  • 自己肯定感
  • マインドフルネス
  • やり抜く力(GRIT、グリット)

参考サイト

https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/138136/f714eee90bba11cfe1038904fc57f0e4?frame_id=697842

https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/138136/f714eee90bba11cfe1038904fc57f0e4?frame_id=697842

(作成中)


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