【社会的情動学習プログラム】こどものかんしゃくは『カメのポーズ』で一緒に治す!【Domitrovich, 2007】
前回は以下
Contents
この論文を読んだきっかけ
わが子の「かんしゃく」をどうしたら治す、または軽減させることができるのか、悩みの種です。Google Geminiに、就学前の子どもが感情コントロール能力を高めるための具体的なアプローチについてエビデンスについて調べてもらったところ、以下の3つを挙げてくれました。
- 社会的情動学習(SEL)プログラムの導入
- 感情コーチング(Emotion Coaching)
- 「ごっこ遊び」を通じた実行機能の訓練
順番に紹介したいと思います。今回は、1個目の、「メタ認知(自分が怒っていることに気づく)」→「カメさんになりきる」→「振り返り」という手法についての論文です。
論文の題名とリンク

Domitrovich CE, Cortes RC, Greenberg MT. Improving young children’s social and emotional competence: a randomized trial of the preschool “PATHS” curriculum. J Prim Prev. 2007 Mar;28(2):67-91. doi: 10.1007/s10935-007-0081-0. Epub 2007 Jan 30. PMID: 17265130.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17265130
幼児の社会情動的能力の向上:就学前教育「PATHS」カリキュラムのランダム化試験
NotebookLMによる解説















PICO/PECO
📊 PICO分析(介入研究:RCT)
P(Population|対象)
- 米国ペンシルベニア州の Head Start に通う
就学前児(3〜4歳) - 主に低所得家庭(low SES)
- 合計 246名(介入10クラス/対照10クラス)
- 特別支援ニーズのある児も一部含む
👉 **「困難を抱えやすい集団」**を対象にしている点が重要
I(Intervention|介入)
- Preschool PATHS Curriculum
- 期間:9か月(1学年)
- 実施者:担任教師
- 内容:
- 感情語彙の学習
- 感情認識
- 自己制御スキル
- 問題解決
- カメのテクニック(Turtle Technique)
- 週1回の正式レッスン+日常保育での一般化
C(Comparison|比較)
- PATHSを行わない
通常のHead Start教育(待機対照群)
O(Outcome|評価項目)
🔹 主要アウトカム
- 感情理解・感情語彙
- Emotion Knowledge(KEI)
- 表情認識の正確さ(ACES)
- 怒りバイアスの低下
- 「曖昧な表情=怒っている」と誤認しにくくなる
🔹 二次アウトカム
- 教師・保護者評価による
- 社会的スキル ↑
- 社会的引きこもり ↓
- 攻撃行動・外在化問題
→ 有意差なし(ベース率が低いため)
結果まとめ(PICO視点)
✅ 感情を「言葉で理解する力」が向上
✅ 社会的引きこもりが有意に減少
✅ 怒りの誤認(anger bias)が減った
❌ 注意・実行機能(短期)は有意差なし
→ 低強度SEL介入としては妥当
📈 PECO分析(発達・予防の因果モデルとして)
この論文、PECOで語ると「教育の価値」が一気に伝わります。
P(Population)
- 社会経済的リスクを抱える就学前児
E(Exposure|曝露)
- 感情言語・自己制御スキルに系統的に曝露
- 感情に名前をつける
- 身体を使ってクールダウン
- 問題解決を言語化
C(Comparator|対照曝露)
- 感情を体系的には教えられない通常保育
O(Outcome)
- 情動調整能力の基盤形成
- 対人関係の質向上
- 内在化問題(不安・引きこもり)リスク低下
👉 将来的に
**いじめ・不登校・情緒問題の「予防因子」**になりうる
🎥「1論文1動画」に最適なPICO/PECOメッセージ
動画で刺さる一文にすると👇
「3〜4歳で“怒りの扱い方”を教えると、
その後の人間関係が変わる ― RCTで証明されています」
🧠 この論文の“教育的に強い”ポイント
- ✔ RCT(エビデンスレベル高)
- ✔ 幼児期(親が一番知りたい)
- ✔ 家庭応用が容易
- ✔ 「叱らない=放置」ではないと科学的に説明できる







ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません