傍観は中立じゃない|いじめを止める鍵【Thornberg, 2012】
前回は以下
この論文を読もうと思った理由

前回に引き続き、「学校を変えるいじめの科学 」で紹介されていた論文を、詳しく調べてみました。
論文の題名とリンク

Thornberg R, Tenenbaum L, Varjas K, Meyers J, Jungert T, Vanegas G. Bystander motivation in bullying incidents: to intervene or not to intervene? West J Emerg Med. 2012 Aug;13(3):247-52. doi: 10.5811/westjem.2012.3.11792. PMID: 22900122; PMCID: PMC3415829.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22900122
いじめ場面における傍観者の動機:介入するのか、それとも介入しないのか?
NotebookLMによる解説











PICO/PECO分析
🔍 この研究の位置づけ(重要)
- 「母親が父親を信頼しているか」を直接測定した研究ではない
- しかし
👉 父親の養育の質(敏感さ・応答性)
👉 早期の父子相互作用
が 11年後の問題行動(外在化行動)を予測することを示した、非常に強力な縦断エビデンス - YouTubeでは
「母親が父親を信頼できる=父親が安定して育児に関われる環境」
という co-parenting の文脈で橋渡し解釈が可能
🧠 PICO分析(臨床・教育向けに最も使いやすい)
P(Population:対象)
- ドイツの縦断出生コホート
- 生後3か月の乳児と同居する父親 72組
- 心理社会的・周産期リスクを含む「リスク児」集団
Trautmann-Villalba2006
I(Intervention / Exposure:曝露)
- 生後3か月時点の父子相互作用の質
- 父親の
- 敏感さ(sensitive fathering)
- 応答性(responsiveness)
- 非応答的・身体的に粗い関わり
- 観察評価(5分間の標準化ビデオ観察)
Trautmann-Villalba2006
- 父親の
C(Comparison:比較)
- 父子相互作用の質が高い群 vs 低い群
- 将来(8歳・11歳時点)で
- 外在化行動が少ない群 vs 多い群
Trautmann-Villalba2006
- 外在化行動が少ない群 vs 多い群
O(Outcome:アウトカム)
- 8歳・11歳時の外在化問題行動
- 攻撃性
- 反抗行動
- 非行傾向
- Achenbach Child Behavior Checklist(CBCL)で評価
Trautmann-Villalba2006
▶️ PICOまとめ(1文)
生後3か月時点で父親が敏感・応答的に関われていないと、11年後に子どもの外在化問題行動が有意に増える
🔄 PECO分析(因果・疫学的視点)
P(Population)
- 同上(縦断出生コホート)
E(Exposure)
- 父親の低い養育感受性・非応答的関わり
- 父子相互作用パターン:
- 「非応答的父 × 活動的乳児」
- 「低感受性父 × 乳児の代償的ポジティブ行動」
Trautmann-Villalba2006
C(Comparator)
- 高い感受性・応答性をもつ父親との相互作用
O(Outcome)
- 学童期(8・11歳)の
外在化問題行動リスク上昇
Trautmann-Villalba2006
🎥 子育て世代向け YouTube 用の「翻訳」
🔑 科学的に言えること
- 父親の関わり方は「後から帳尻が合う」ものではない
- 生後数か月の関係性が、10年以上先の行動問題と結びつく
🧩 母親の信頼とのつながり(解釈)
この論文+他の co-parenting 研究を合わせると:
母親が父親を信頼できる家庭では
✔ 父親が安定して関われる
✔ 早期の父子相互作用の質が上がる
✔ 結果として子どもの問題行動リスクが下がる
という「間接的だが極めて妥当な因果ストーリー」が成立します。
📌 動画での安全な表現(推奨)
❌「母親が父親を信頼すると問題行動が減ると証明された」
⭕
「11年追跡研究で、父親の関わりの質が子どもの問題行動を強く予測することが示されている。
その土台として、母親が父親を信頼できる co-parenting 環境が重要だと考えられる」







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