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『才能(や結果)より過程をほめるべき!』プロセスほめの根拠のひとつとなった論文を読んでみた

2020年10月31日

いま、『3000万語の格差』という子育て本を読んでいて、そのエビデンスの1つが紹介されていたので、探して読んでみることにしました。

才能をほめると子どものモチベーションとパフォーマンスが下がる

Mueller, C. M., & Dweck, C. S. (1998). Praise for intelligence can undermine children’s motivation and performance. Journal of Personality and Social Psychology, 75(1), 33–52.

https://psycnet.apa.org/record/1998-04530-003

概要

子どもをほめるときは、知能(才能)intelligenceをほめるのではなく、努力effortをほめるとよい。努力をほめられた子供は、物事に対するモチベーションが上がり、難しいタスクに対してっもめげずに挑戦する傾向がある。

小学校5年生を対象とした6個のスタディをもとに、上記結論に至った。

著者  スタンフォード大学キャロル・ドゥエックCarol Dweck

Study 1

対象

小学5年生128名(男:女=58 : 70)(白人:アフリカ系:ヒスパニック= 50%, 19%, 31%)

方法

Standard Progressive Matrices(レーヴン漸進的マトリックスという図形の一部を埋める知能検査の一つ)を10問1セットを3セット解いてもらう。1セット当たりのスコアは正解した問題の個数(0点から10点)とした。問題の難易度は以下の通り。

  1. 中等度の難易度(moderate difficulty)
  2. 高難度(正解率50%以下くらいになるレベル)
  3. 1セット目と同じレベルの中等度の難易度

1セット目の問題を解いてもらった後、以下の3群に分けた。

  • 『すごい!頭がよいね!』:グループ1 (n=41)
  • 『すごい!よくがんばったね!』:グループ2
  • (n=41)
  • 『すごい!』:グループ3 (n=46)

このタイミングでいくつかの選択肢の中から1個選んでもらうアンケートで、各こどもの目標を、performance goalsパフォーマンス・ゴール成績目標とlearining goalsラーニング・ゴールのどちらかに偏っているかを判定しました(ここらへん、よくわかりません)。

  • performance goals (in which individuals are concerned with gaining favorable judgments of their competence)
  • learning goals (in which individuals are concerned with increasing their competence).

(引用元:Dweck, C. S., & Leggett, E. L. (1988). A social-cognitive approach to motivation and personality. Psychological Review, 95(2), 256–273.)

3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ (和訳)の解説によると

  • 初回より難しいが、取り組むことで「たくさん学べる」パズル
  • 初回と同じ難易度のパズル

のいずれかを子供に選んでもらうということのようです。

次に、2セット目の問題(高難度: 全員が正答率50%以下 )を解いてもらい、1セット目と比べて結果が悪かったことを伝えた。

このタイミングで以下のアンケート(1点から6点)をとりました(もうひとつの方は私には理解できなかったので省略。)。

  1. 『家でもこのワークをしたいですか?』(task persistence)
  2. 『1セット目/2セット目の問題をどのくらい楽しみましたか?』(tack enjoyment)
  3. 『全体でどれくらいうまく問題を解くことができましたか?』(?)(task performance)

最後に、3セット目の問題(1セット目と同じ、中等度の難易度)を解いてもらい、スコアを測定した。

結果

1セット目の10問中、正解数が1以下の5名を除外。

残りを3群に分けて、1セット目のスコアの平均に有意な差がないことを確認。

Group1は、Group2よりも、パフォーマンス(成績、テストでの得点力?)には賢さがより重要であると答えた割合が有意に高かった。

performance goalsパフォーマンス・ゴール成績目標を選んだ割合が、

  • Group1(才能ほめ):67%
  • Group2(努力ほめ):8%
  • Group3(ほめた):50%

となり(論文のFigure 1)、

  • 才能をほめられると、賢く見られたいので正解できそうな問題を撰び
  • 努力をほめられると、新しいことを学びたくなる

ことがわかった。

2セット目(高難度)でスコアが悪かった後に、その理由として、

  • Group1(才能ほめ):点数が低かったのは才能か無いから
  • Group2(努力ほめ):点数が低かったのは努力が足りなかったから

と考える傾向にあった(論文のTable 1)。

また、このタイミングで

  • task persistence 課題を続けたいか
  • task enjoyment 課題を楽しいと感じるか
  • task performance 成績
  • performance judgments 成績評価(?)

についてのアンケート結果としては、Group1(才能ほめ)と比較してGroup2(努力ほめ)の方が、『課題を続けたい』割合が高く、『課題を楽しいと感じる』割合が高かった(論文のTable 2)。

ほぼ同難易度である1セット目と3セット目の課題のスコアは、以下の図の左側(Study 1)のようになった(Figure 2)。

引用元:Dweck, C. S., & Leggett, E. L. (1988).

つまり、

  • Group1(才能ほめ):1セット目で才能をほめられて、2セット目で難問シリーズに打ちのめされた後、3セット目で成績が落ちる傾向にあった
  • Group2(努力ほめ):1セット目で努力をほめられた後、2セット目で難問シリーズが解けなくても、3セット目で粘り強く問題に立ち向かい、成績が上がる傾向にあった
  • Group3(ほめた):1セット目より3セット目でわずかに成績が上がる傾向にあった

となりました。なお、1セット目と2セット目のスコアの平均は3群に有意差無しであったが、3セット目のスコアの平均は3群に有意差あり(One-way ANOVA)となり、3セット目のGroup2(努力ほめ)のスコアの平均は、Group1(才能ほめ)やGroup3(ほめた)と比べて有意に高かったという結果でした。

結論:こどもをほめるときは『頭いい!』ではなく『頑張って素晴らしい!』とほめると成績が上がり勉強も楽しんでやるようになる!

逆に、『こんな問題も解けるなんて頭いいね!』と言ってほめると、簡単な問題ばかりしか解かず、勉強も楽しめず、成績が下がってしまうリスクすらあるとのことでした。

りさおは、りーたんのことを、『すごい!頭いい!(うちの子天才かも!?)』ってほめまくっていたのですが、まずかったのでしょうか( ノД`)…

最近は、

よく頑張ったね!その努力が素晴らしいよ!

とほめるように努力していますが、これまた実践すると、なんか面倒です。でも、りーたんとりりーの将来を考えたら、面倒なんて言わずにりさおも楽しみながら『プロセスほめ』を実践していきたいと思います。


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