読書する子は4年後に情緒安定!?【Mak, 2020】
前回は以下
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この論文を読んだきっかけ
りさおは子供の頃、全く本を読みませんでした。父親の留学で小学4、5年生の時にアメリカの現地校に通った時に、図書室にあった日本語の「怪盗ルパン」シリーズだけは、面白くて読んだ記憶があります。その他は、中学1年生の夏に、学校の国語の宿題で「読書しようね!」お勧めの本の一覧と一言コメントのプリントが配られて、ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」と、「カラマーゾフの兄弟」が、私には理解不可能で数ページで挫折。しかし、SF小説「明日への扉」で、感動したことを覚えています。その後も、本はほとんど読まず、高校1年生のときに、図書館で、西村京太郎の「十津川警部シリーズ」にはまったときくらいでした。
その後、30歳前後に、大学院生になってお金がなくなり、「お金は銀行に預けるな~金融リテラシーの基本と実践~ 2011」を読んだ後FXにはまり、投資やFXの本を100冊くらい読んで、最終的になけなしの30万円を失ったこともありました。
りさおが継続的に本を読むようになったのは、30代中盤の「りーたん」が生まれて約1年後です。モンテッソーリ教育を紹介したマンガを読み、
「子育てするなら本を読みまくって先人の知恵を借りないといけない」
と感じ、その後、子育て本ばかり、年間100冊前後読んでいます。というか、あらゆる本が子育ての参考になります。
りさおがスマホ(アマゾンKindle)で、文字ばかりの本を読んでいることが多いのを見ていた「りーたん」は、それが関係しているのかしないのかは分かりませんが、8歳の時点で、結構読書好きになっているようです。
といっても、りーたんの最近の興味は、
- ドラえもん、猫ピッチャー:マンガ、これらがほとんど
- Epicという英語の読書アプリのサブスクリプション:学校で毎日20分、何でもよいから読書!という宿題が出て、こちらのアプリが紹介されたので、1年間年額プラン:$84.99/年(月額約1200円)を契約中です。
- 船舶に関する本
です。(親バカ的に、)さあ、読書好きのりーたんにどのようなことが期待されるかと思い、今回の論文にたどり着きました。
論文の題名とリンク

Mak HW, Fancourt D. Longitudinal associations between reading for pleasure and child maladjustment: Results from a propensity score matching analysis. Soc Sci Med. 2020 May;253:112971. doi: 10.1016/j.socscimed.2020.112971. Epub 2020 Apr 2. PMID: 32276184; PMCID: PMC7429985.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32276184/
「楽しみのための読書」と子どもの不適応(情緒・行動面)の縦断的関連:傾向スコアマッチング分析
NotebookLMによる解説
PICO/PECO

📊 PICO / PECO 分析
Mak HW, Fancourt D. (2020)
Longitudinal associations between reading for pleasure and child maladjustment
① 研究デザインの整理
- 研究タイプ:
観察研究(前向き縦断コホート) - 解析手法:
Propensity Score Matching(PSM) - 位置づけ:
👉 PECO が最適
(介入ではなく、自然に存在する「読書習慣」を曝露として扱っている)
② PECO 分析(本研究に最も適した形)
🧑🤝🧑 P(Population:対象)
- イギリスの全国代表コホート
- Millennium Cohort Study(MCS)
- 解析対象:
- 7歳時点でデータがあり
- 11歳まで追跡できた児童
- 最終解析人数:
- n = 8,936 人
📌 ポイント
→ 社会経済背景・親のメンタルヘルスを含む、非常に情報量の多い集団
📚 E(Exposure:曝露)
- 7歳時点の「楽しみのための読書(reading for pleasure)」
- 学校の勉強目的ではない
- 保護者報告による頻度
主解析での定義:
- 「ほぼ毎日読む」 vs 「それ以外」
感度分析:
- 「ほぼ毎日読む」 vs 「ほとんど読まない(年1回未満)」
(=より極端な比較)
🆚 C(Comparator:比較)
- 読書頻度が低い児童
- PSMにより以下を厳密にマッチ:
- 性別・人種
- 親の学歴・就労状況・婚姻状況
- 親のメンタルヘルス
- 親子の親密度
- 親が子に読み聞かせる頻度
- 7歳時点でのSDQスコア(ベースライン)
📌 重要
→ 「もともと落ち着いている子だから本が読める」という反論をかなり抑えている設計
🧠 O(Outcome:アウトカム)
- 11歳時点の心理・行動面
- 指標:
- SDQ(Strengths and Difficulties Questionnaire)
- 特に注目された下位尺度:
- Emotional problems(情緒の問題)
- 不安
- 落ち込み
- 心配しすぎ など
- Emotional problems(情緒の問題)
③ PICO形式でも表すと(動画用スライド向け)
※ 厳密には介入ではないが、理解しやすさのために整理
P(Population)
7歳のイギリス児童(全国代表コホート)
I(Intervention 的に見るなら)
7歳時点で「楽しみのために、ほぼ毎日読書している」
C(Comparison)
同じ背景条件をもつが、読書頻度が低い児童
O(Outcome)
11歳時点での情緒の問題(SDQ emotional problems)が少ないか
📌 結果:
- 極端な比較(毎日読む vs ほとんど読まない)では
- 情緒の問題が 有意に少ない
④ 因果解釈の強さ(EBE的評価)
| 観点 | 評価 |
|---|---|
| 時系列 | ◎(7歳 → 11歳) |
| 交絡調整 | ◎(PSM+多数変数) |
| 逆因果 | △(完全排除は不可) |
| 因果断定 | ✕(観察研究) |
| 教育的示唆 | ◎ |
👉 「因果を断定はできないが、保護的関連を示すエビデンス」
⑤ 子育て・動画用の一文要約
「7歳で“楽しみとして”本をよく読んでいた子どもは、
同じ背景の子と比べて、11歳時点で情緒の問題が少なかった」
――イギリス全国追跡研究より







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