7歳の「数学力」が、42歳の年収を左右していた【Ritchie, 2013】
前回は以下
Contents
この論文を読んだきっかけ
最近、STEAM教育(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)が大事だと聞きます。その中でも、Math(数学)は、将来の年収と関係あるかなと思い、ChatGPTに聞いてみたら
7歳のときに数学の成績がずば抜けていると、42歳時の年収が高い傾向にある
という論文を見つけました。
論文の題名とリンク

Ritchie SJ, Bates TC. Enduring links from childhood mathematics and reading achievement to adult socioeconomic status. Psychol Sci. 2013 Jul 1;24(7):1301-8. doi: 10.1177/0956797612466268. Epub 2013 May 2. PMID: 23640065.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23640065
幼少期の数学と読解力と成人の社会経済的地位との永続的な関連性
NotebookLMによる解説














PICO/PECO分析
ご指定の論文 Ritchie & Bates (2013) に基づいて、PICO / PECO分析を整理します。
(教育・発達研究なので PECO の方がより適切ですが、両方併記します)
🧩 PECO分析(観察研究向け)
P(Population:対象)
- イギリスの全国代表出生コホート
- 1958年生まれ(National Child Development Study)
- 約 11,000人
- 追跡期間:7歳 → 42歳
E(Exposure:曝露)
- 7歳時点の学力
- 数学能力
- 算数テスト(Problem Arithmetic Test)
- 教師評価
- 読解力
- Southgate Reading Test
- 教師評価
- 読書レベル
- 数学能力
※ いずれも 潜在変数(latent variable) として構成
C(Comparator:比較)
- 学力が低い群 vs 高い群
- または
- 以下の交絡因子を 統計的に調整 した上での比較:
- 出生時の社会経済的地位(SES of origin)
- 知能(11歳時)
- 学業動機(16歳時)
- 教育年数
O(Outcome:アウトカム)
- 42歳時点の社会経済的地位(SES)
- 職業階級(RGSC)
- 住宅所有状況
- 収入(対数化)
結論(PECO要約)
- 7歳時の数学・読解力は、42歳時のSESと有意に関連
- 知能・家庭背景・教育年数を調整しても関連は残存
- 数学:男女とも 直接効果あり
- 読解力:女性でより強い直接効果
- 教育年数・動機・知能を介した 間接効果 も確認
🧪 PICO分析(介入研究風に整理)
※ 本研究は介入ではありませんが、教育エビデンス紹介用として再構成可能です。
P(Population)
- 小児(7歳前後)
I(Intervention)
- 初等期における 数学・読解力の向上
- (例:授業改善、指導の質向上、読書・演劇活動など)
C(Comparison)
- 学力向上が十分でない場合
- もしくは標準的教育のみの場合
O(Outcome)
- 成人期の社会経済的成功
- 職業
- 収入
- 社会的地位
🎯 教育・子育て文脈での使い方(重要)
この論文は、
- 「幼少期の学力は、テストの点数のためだけではない」
- 「人生全体の社会的アウトカムに長期的影響がある」
ことを示す、非常に強い縦断エビデンスです。
👉
- 感情を込めた音読
- 演劇・表現活動
- 読みの深さを伴う学習
などの “学力の質” を高める介入の理論的裏付けとして、
YouTube・講演・学校説明資料に非常に使いやすい論文です。







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