不登校の悩み解決のヒントは、子どもの『居場所』を作って『いま、やりたいことをやる』!?
2023年現在、6歳の「りーたん」も、3歳の「りりー」も、
『今日は幼稚園に行きたくない!スクール休む!』
と言うことが結構あります。小学校もなじめるかわかりません。上の子が小学校に入学する前に、不登校に関する本を30冊くらい読んでみて、小学生の不登校について、「りさお」なりにまとめてみました。キーワードは、
居場所
です。
Contents
- 1 「不登校」は2015年頃から大幅に増加傾向だが、学校が登校を無理強いしなくなったことも一つの要因
- 2 不登校の原因は本人にも「分からない」ことが多い
- 3 何のために学校へ行くのか
- 4 不登校の解決法は「登校再開」だけではない
- 5 行動遺伝学の知見によると、嫌がる我が子を無理やり小学校に登校させても、その子の将来へのメリットはほぼ無い
- 6 2017年に「普通教育機会確保法」が施行され、国の不登校支援方針として「登校を目標にしない」を明記
- 7 小学生の不登校の解決方法の具体例【Step 1】親自身の心を安定させる
- 8 小学生の不登校の解決方法の具体例【Step 2】家を子どもにとっての心の安全基地にする(「居場所」の確保)
- 9 小学生の不登校の解決方法の具体例【Step 3】子どもを注意深く観察し、ゆっくり、多数の選択肢を提示して、子ども自身に選んでもらう
- 10 不登校と自己肯定感の関連について
- 11 不登校対策で、やってはいけないNG集
- 12 わが子が不登校になってしまったら読んでほしいお勧めの3冊
- 13 付録:小学生の不登校の解決方法の具体例
- 14 不登校の本人の悩み
- 15 不登校の子どもを持つ親の悩み
- 16 不登校の子を持つ親の悩みの解決のヒント
- 17 不登校の経験を公表している有名人
- 18 メモ
- 19 参考文献
- 20 参考リンク
「不登校」は2015年頃から大幅に増加傾向だが、学校が登校を無理強いしなくなったことも一つの要因
文部科学省による「不登校」の定義は「1年間に30日以上登校しなかった児童生徒(病気、経済的理由を除く)」となります[1]。
2021年では、小学生全児童6,262,256人(約600万人)のうち、81,498 人(約8万人、1.3%、77人に1人)が、不登校とのことです[2]。小学校で、30人1クラスで、1学年3クラスあれば、1学年に1人は不登校の小学生がいるという計算になります。令和2年(2020年)は、新型コロナウイルスのために休校になりましたが、それ以前の平成29年(2017年)に「教育機会確保法」が施行され、国の不登校支援方針として「登校を目標にしない」を明記したことにより、多くの学校が子どもに登校を無理強いしなくなってから、急速に不登校者数が増え始めたようです。もちろん、同年齢の子どもが、同じ時間に、同じ場所で、同じ事を学ぶ現在の学校という制度が時代のニーズに合わなくなってきているという面が大きいとは思います。
なお、1年間の欠席日数が29日以下だと、「行きしぶり」「隠れ不登校」「不登校傾向」と言ったりするそうです。2022年9月の小中学生のアンケート調査では、学校に行きたくなくても、我慢して行っている子どもが、38%もいるとのことでした。
不登校の原因は本人にも「分からない」ことが多い
「因果律(いんがりつ)」といって、
すべての出来事は、ある原因から生じた結果のすがたで、その間には一定の必然的関係があり、原因がなくては何ごとも起こらない(物事には全て「原因」がある)
という考え方[コトバンク]があります。私はこの言葉を聞くと、高校生のときの物理の塾で、運動方程式ma=Fを習ったときに、「物理学はこの式の左辺の結果の原因を、右辺の力が原因であるという因果律を信じる宗教だ」と教えられたことを今でも思い出します。
こどもが不登校になると、
「どうして学校に行きたくないの?」
という言葉を、親が納得する答えが得られるまで繰り返してしまう親が多いとは思いますが、不登校であった本人が書いた著作を読んでみると、
- いじめられた
- 先生と関係が悪化した
- 勉強についていけない
など、不登校の「きっかけ」はあれど、
自分でもなぜ学校に行けないのか分からない
ことも多いようです[4]。
なお、1990年前後に、フリースクール「東京シューレ」の子どもたちが全国の登校拒否(当時そう呼ばれていた)の子ども265人(小学生42人、中学生94人、高校生129人)向けに実施したアンケートでも、「よくわからない」が64人(24.1%)という結果でした[25]。
つまり、不登校の子ども本人でさえ、学校へ行けない理由が分からないことが多いので、必ずしも理由がはっきりしなくても、よくあることなので不安になる必要はありません。不登校の原因が不明でも、対策できます。
何のために学校へ行くのか
リストアップしていきます。
- 人間が生きて行く上で必要最低限の学問の知識を得るため[4]
- 同世代のコミュニティ作りと人間関係を学ぶため[4]
- 自分の得意な事を見つけて、人と、社会と、世界とつながっていくため[28]
- 社会生活に慣れるため、すなわち、集団の中で上手くコミュニケーションをとって暮らしていける力を身につけるため[29]
- 忍耐力をつけるため[29]
上記目的が達成できれば、不登校のままでも問題なさそうです。ただ、他人とのコミュニケーションをとる場所として、適応指導教室(教育支援センター)などの、学校以外の「居場所」は必要と主張する本は多かったです[4]。
個人的には、「忍耐力」についてですが、起きている時間を1日15時間として、午前8時から午後3時まで1日7時間である、1日の約半分、というか、1日の元気に行動できる時間の大半を、苦痛である「学校」で過ごすことによって「忍耐力」をつけるという考え方は、どう考えてもおかしいと思います。誰だって毎日7時間、苦痛な時間を与えられたら、それは、
「忍耐力を鍛える訓練」ではなく、もはや、「拷問」
であり、自分がそんなことをされたら、発狂してしまうのではないでしょうか?なので、「忍耐力」をつけるために学校へ行く、という考え方には、個人的には反対です。
不登校の解決法は「登校再開」だけではない
「りさお」は、不登校に関する本を読むまで、
「不登校の解決は、不登校の原因を特定し、解決して、子供が登校再開すること」
だと思い込んでいました。たしかに、2017年頃までは、国の方針としても、こどもが登校を再開することを解決のゴールとしていました。しかし、「不登校の解決の定義」として、例えば、「学校に行けない子どもの気持ちがわかる本(2023年)」では、以下のように定義しています。
子どもが学校に行っても行かなくても、「子どもが自立して社会でしあわせに生きていける」そして、「親も子どもからの精神的な自立をする」
この定義、個人的には好きです。子どもの「教育」の目的である、「子どもが自立して社会でしあわせに生きていける」が達成できれば、登校しようが不登校だろうが、よいという考え方なのだと思います。
行動遺伝学の知見によると、嫌がる我が子を無理やり小学校に登校させても、その子の将来へのメリットはほぼ無い
「運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」(2023年)」では、一卵性双生児と二卵性双生児を比較して得られた研究結果によると、幼児期は親の育て方や家庭環境の影響が比較的大きく、遺伝の影響が顕在化していませんが、成長するにつれて自分の遺伝的素質に合わせて環境を選択したり(遺伝と環境の能動的相関)、友人やまわりの大人がその子の性質や能力に合わせた関わりをするようになる(遺伝と環境の誘導的相関)機会が増えることで、20歳手前くらいになるころには、本来の遺伝的な素因(生まれつき持っているパーソナリティー、「やる気」や「集中力」など)が前面に出てくるとのことです。そのため、嫌がる子どもを無理やり小学校に登校させても、大学生になる頃には、生まれつきのその子の遺伝特性が出てくる可能性が高いため、環境(小学校)に子どもをあわせる(無理やり登校させる)のではなく、子どもにあった環境を合わせる(フリースクール、塾、その他)という解決策をとる方が、行動遺伝学の観点からは正しいし、子ども本人も親もハッピーになれるのではないかと個人的には思います。
2017年に「普通教育機会確保法」が施行され、国の不登校支援方針として「登校を目標にしない」を明記
2016年、文部科学省からすべての学校に対して、「不登校を問題行動と判断してはならない」という通知がなされました[23]。
2017年、不登校の児童生徒が教育の機会を損なわないことを目的した「普通教育機会確保法」(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)が施行されました[6]。学校に登校できない児童生徒には、学校への登校を強制せず、それぞれに合った学びや学校に代わる教育機会の提供を保障します。また、学校復帰ではなく社会的自立を目指し、国・地方公共団体と民間の団体が協力・連携していくことを求めています。 学校や地方公共団体は、子どもや親へ必要な情報を提供することも義務付けられています。
2018年、文部科学省は、不登校児童生徒への支援として、「登校する」という結果を目標としていた指導から「再登校だけがゴールではない」という方針に転換しました[24]。
2023年3月に、文部科学省から、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)について」が発表され、不登校者本人を変えるのではなく、本人が学ぶことができるような学校以外の場所も含めた「環境」作りを目指しているとのことです。
なお、日本国憲法に定めらている国民の三大義務(教育・勤労・納税)の「教育」ですが、日本国憲法第二十六条は、以下の通りです。
第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
日本国憲法第二十六条
② すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
つまり、「教育の義務」とは、子供たちが教育を受けなければならないという義務ではなくて、「親が」子供たちに教育を「受けさせる義務」ということ(児童労働をさせるなということ)です[7]。しかし、教育を「学校に行かせる義務」とは言っておらず、子どもが恐怖心を感じても無理やり学校に行かせる義務ではないです[8]。ただし、2023年時点で、「学校への登校という結果のみを目標にしない」などを明記した国の不登校支援の指針について、不登校の子どもを持つ保護者の56%が「知らない」とのことでした[9]。まだ、「不登校のうちの子、早く登校できるように親の私ががんばらなきゃいけない!」と思っているお父さんやお母さんに、
「今の国の方針は、不登校の子どもに対して、休息したり、フリースクールなど学校外での学びの場を利用したりして、最終的には、学校復帰ではなく社会的自立を目指してもらう方針である」
ということを、広く認知してもらう必要がありそうです。
一言でいうと、
学校は「行きたいときに、行く権利がある場所」
のとのことです[12]。
そもそも、ほとんどの小学校、中学校は、学区制といって、
住む場所で、行ける(公立)小学校が指定されてしまい、自分で通学したい小学校を選ぶことができない
という大前提があります。もちろん、通学路での安全確保を考えると、学区制は仕方のないことではありますが、学区制のために、引っ越しをしなければ学校(公立)を変えることはできないという点も、不登校の問題の原因の1つになっていることは間違いないと思います。
この問題の解決策の一つとして、東京都の中には、小学校と中学校の、自由選択制、隣接区域選択制という制度をとっている自治体もあります[30]。
例えば、東京都港区は、小学校は「隣接選択制」といって、小学校は通学区域に隣接する学校から、選択希望できます[31]。例えば、何らかの理由で御成門小学校に行きたくないと子どもが言った場合、引っ越しなどせずに、赤坂学園赤坂、麻布、赤羽、芝、お台場学園港陽小学校のいずれかに、転校できるとのことです。親としては、これくらい、許可してもらいたいところですよね。
なお、残念ながら、東京都渋谷区は、一度は小学校を自由選択制にしたのに、(私には)よく理解できない理由をつけて、2022年4月から自由選択制が廃止となり、通学区域内にある指定校への入学しか認められなくなってしまいました[31]。
小学生の不登校の解決方法の具体例【Step 1】親自身の心を安定させる
30冊ほど不登校に関する本を読んだ結果、「りさお」の独断と偏見で、不登校の解決方法を【3つのステップ】にしてみました。あくまで一例として参考にしていただけましたら幸いです。なお、繰り返しになりますが、「不登校の解決」の定義は、
子どもが学校に行っても行かなくても、「子どもが自立して社会でしあわせに生きていける」そして、「親も子どもからの精神的な自立をする」
とします。
突然ですが、道端に倒れている人を助ける「一次救命処置(BLS)」のガイドラインで、まず最初に行うことは、
「周囲の安全確認よし!」と、救助者の安全を確保する
こととされています[JRC蘇生ガイドライン2020]。不登校で困っている「我が子」を助けるためには、まず、助ける側である「親」の心の安全を確保する必要があります。
子どもが「行きしぶり」「不登校傾向」になっている段階で、
- 毎日、学校を休むことを伝えるために学校に電話をするのがすごく疲れる[12]
- 子どもが学校を休むと、親が仕事に行けない(在宅ワークでも、子どもが家にいると仕事ができない) →これ、大問題です。
- 嫌がる子どもを学校へ行くのを説得するのにすごく疲れる[12]
- 他の子と比べて焦る(あせる)
- 子どもが不登校になるのは親である自分の教育に問題があったのかと悩む
- パートナー(夫または妻)が、子供が学校を休むのは怠けだと言って、無理矢理、子どもを登校させようとする
- 相談できる相手がいない
など、実は、親の心が不安定になっていることがほとんどだと思います。親の心が不安定、イライラした状況では、子どもの心が安定するのはかなり難しいと思われます。不安を感じたときにすべきことは、不安をなくすために子どもを変えることではなく、自分の中にある不安の本質をよく観察することです[32]。自分の子どもと他人の子どもを比較したり、成績、習い事や性格などに関してライバル心(競争意識)を無意識のうちにでも持ってしまうことが、不安を大きくしている場合がほとんどではないでしょうか?
まずは、親の心の安定をはかるために、上記の問題点に対して、以下のような対策を、解決方法の一つとして提案します。
- 学校に、欠席の連絡はしないことを伝える(→毎朝、欠席の電話をしなくてすむので、一つ悩みが減る。また、欠席が長引くようなら給食も止める)[12]。「りーたん」や「りりー」が体調不良や、幼稚園を休むときに「りさお」も幼稚園に電話するのを躊躇して、「りさこ」に電話をお願いしてしまうことがかなりあります。「毎朝の欠席連絡の電話をしないことにする」、これだけでも結構楽になります。ちなみに、京都府立の公立小学校(坂本良晶氏勤務)では、朝の出欠連絡が、電話からMicrosoft Formsに置き換わったそうです[40]。全国の小学校にそうなってほしいですね。
- お金があるなら、ベビーシッターさんに子どもをみてもらう。祖父or祖母にみてもらう(要注意、注意点は後述の予定)。例え収支がマイナスになっても、お金を払って、ベビーシッターさんに子どもを見てもらい、自分の仕事は継続したほうが、親の精神衛生上よいかもしれません。(こどもの不登校のせいで好きだった仕事をやめると、次のStep2に進めない危険性があります。)
- 最初は、少し説得(自分で学校へ行く選択肢をとるように話を誘導することが多いと思いますが。)を試みるとは思いますが、3回説得してもダメなら、説得はあきらめた方が親の精神衛生上、よいのではと思います。
- よく言われるのは、「子どもが生まれた瞬間を思い出しましょう」です。あのときは、「生まれてきてくれてありがとう」という気持ちで、兄弟も含め、他人と比較するなんてことはなかった親がほとんどではないでしょうか?自分は自分、我が子は我が子、自分も他人と比較しても時間の無駄ですし、我が子と他人の比較も時間の無駄ですし、精神衛生上もよろしくありません。いますぐ自分や我が子を他人と比較するのはやめましょう。
- 子どもが不登校になったとしても、「いまの学校」が子どもに合わないだけであり、親の教育の問題ではありません。親が自分を責めるのはやめましょう。なお、「完璧な子育てなどというものは存在しない[27]。」し、「完璧な親になる必要もない[27]。」そうですよ。
- パートナーが子どもを無理矢理登校させたがる場合は、2017年の「普通教育機会確保保法」施行以降、国の不登校支援方針として「登校を目標にせず」子どもの特性にあった多様な教育環境を作り、今は登校を無理強いする時代ではないことを伝えます。さらに、マンガ「学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで(2023年)」と、2冊の本「明るい不登校: 創造性は「学校」外でひらく(2019年)」「不登校でも学べる 学校に行きたくないと言えたとき(2022年)」の一部でも読んでもらい、夫婦で話し合うのがお勧めです。
- 不登校の児童生徒を持つ保護者向けの『オンライン交流会』に参加してみる[32]
の一部でも実行してみる(つらければ、まず、前フリなしに、「学校に休みの連絡をするのをやめる」など)のがお勧めです。
また、別の言い方をすれば、
他人を変えることはできない。変えられるのは自分だけ。
です。自分の子どもは、特に母親にとっては、分身のように感じることもあるかけがえのない存在ですが、「個性を持った一人の人間」として尊重すべきであり、例え親でも、子どもの気持ちを変えたり、行動を制御することは不可能です。「子どもを登校させよう」とか、「子どもにしっかり勉強してもらおう」とか考えても、それは無理な話であり、子どもが本心から学校に行きたくなれば、親は、行く手伝いをすればよいし、子どもが自分が立てた目標に向かって勉強をしたいと言えば、アドバイスや、学費や参考書を、親のできる範囲で用意することしかできないのです。ちなみに、お金に関しては、インターネットで本気で調べれば、「トビタテ!留学JAPAN」や、「孫正義育英財団」など、公的、私的な支援制度などがいろいろ見つかります。2023年現在、お金がなくても、中学、高校、大学生であれば、例えば、「トビタテ!留学JAPAN」に応募して採択されれば、頑張れば海外留学できちゃいます[33]。
小学生の不登校の解決方法の具体例【Step 2】家を子どもにとっての心の安全基地にする(「居場所」の確保)
親の心を落ち着かせたら、次は、子どもの心の安定をはかります。子どもにとって、家の中をストレスがなくて、居心地の良い状態をつくることに専念します[19]。これにより、子どもは
自分の居場所
を得ることができ、心の充電を行い、次のステップに進むことができるようになります。
心理学における概念として、「愛着理論」というものがあります。こどもは、親の愛情をいっぱい受けると、親を心の「安全基地」として、そこから外の世界へ冒険しに行くことができます。また、不安になったら「安全基地」である親のもとにすぐに戻って甘えて、心の安定感を得ます。そしてまた、親のもとで安心感を充電して、パワーがたまったら、また外の世界へ冒険に旅立ちます。
そもそも、子どもは家庭環境に安心できないと、そのこと自体が大きく悩みとしてのしかかり、安定して学んだり、友人関係を育んだりできません[6]。ここで、不登校で家にいるときに、「どうして学校に行きたくないの?」と繰り返し聞かれたり、無理矢理ではなくても登校するように言われたりすると、自宅が「心落ち着ける自分の居場所」ではなくなってしまいます。
子どもにとって自宅を「子どもの居場所」として環境を整えるためのポイントして、以下のことがお勧めです。
- 子どもをじっくり観察して、こどもの葛藤や不安を受けとめる[13] → モンテッソーリ教育を始め、多くの子育て本に、「まずは子どもを観察しましょう」と書かれています。
- 子どもの話をゆっくりと聞く時間をつくる[13]
- 子どもがゲームをしたいのなら、ゲームをやってもらう。親も一緒にゲームをやらせてもらい、何が楽しいのか教えてもらう。(子どもからゲームを取り上げると、自殺未遂をしたり、逆に親が殺されてしまった例が報告されています。死ぬくらいだったら、ゲーム中毒のほうがましです。)ただし、親自身がゲーム中毒にならないようには注意が必要です。
- 学校には、親が想像しないような子ども達で作る社会があります。3冊くらい、デジタルリテラシーの本を読んで、SNSイジメや、スマホゲームに関する知識を得ておくのもよいと思います。りさおのお勧めは、「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール(2020年)」と、「学校では教えてくれない大切なこと12ネットのルール(2016年)」です。SNSイジメの例としては、『娘がSNSなりすましされました(2022年)』が、お勧めです。こちらは今すぐに読むことができます。
- 昼夜逆転は健康面では望ましくないですが、叱ったりはせず、子どもの自己肯定感を上げる努力をし、昼間の用事を作ったり、第三者(専門家)に相談したりするのがよいそうです[34]
- 子どもが親に甘えてくるのであれば、「愛着」、特に安定型愛着の再形成の時期と考え、子どもが思う存分甘えさせてあげる
非認知能力である「愛着(アタッチメント)」については、以下の動画と記事もご覧頂けましたら幸いです。
愛着attachmentは、非認知能力を育てるための『学習のための積み木』の中でも、最も大事な一番下の段に位置しています。この考え方によると、非認知能力の中で最も大事なものは、「愛着、ストレス管理、自己制御」ということになります。詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
小学生の不登校の解決方法の具体例【Step 3】子どもを注意深く観察し、ゆっくり、多数の選択肢を提示して、子ども自身に選んでもらう
親の心の安定、子どもの居場所の確保ができたら、「学ぶ環境のコーディネーション」[32]を行います。
まず、子ども自身が学校へ行きたいか、それとも行きたくないかで対策が変わります[32]。
- 子どもが、意図せず不登校になってしまって早く学校に戻りたいと思っている場合
- 子どもが、そもそも学校を求めていない、または、子どもが、学校以外で学びたいと考えている場合
本人が学校に行きたいのか、行きたくないのか、本人も親も分からないという場合は、まずは子どもを注意深く観察して、それでもわからない場合は、まずは、「2」の、学校以外の学びの場を探すのがお勧めです。子ども自身が学校を求めていなくても、親が登校再開を望んでいるのが分かっているため、親を喜ばせようと、「学校へ行きたい」と言う子どももいるということなので、注意が必要です[12]。また、上記の「1」の、子ども自身が学校に戻りたいと思っている場合でも、その原因が「いじめ」、「先生とのトラブル」や「病気・障害(発達障害、自閉症など)」などの場合は、転校や、しかるべき施設を探す方がよい場合もありそうです。
子どもを観察するといっても、何か指標になるものがあるとわかりやすいのですが、例えば、「不登校は9タイプ(2017年)」では、不登校を以下の9タイプに分類しています[19]。
- 朝起きない型(起立性調節障害、睡眠障害、昼夜逆転)
- 体調不良型(頭痛・腹痛・吐き気)
- ひきこもり型
- 勉強遅れ型
- 学校トラブル型
- いじめ、からかい、嫌がらせ
- 人間関係トラブル(友達グループ、先輩後輩)
- 先生とのトラブル
- 現実逃避・依存型(ゲーム、スマホ)
- 親子関係型(親への依存、家庭内暴力)
- 親への依存(幼児返り)
- 家庭内暴力
- 精神不安定型(対人恐怖症、うつ)
- 病気・障害型(軽度発達障害、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、LD(学習障害)、自閉症、ギフテッド、その他)
【Step3】(1)朝起きれない、体調不良、精神不安定、障害が疑われる場合は、まずは小児科、心療内科、児童精神科の受診を
頭痛、腹痛、吐き気、全身倦怠感(ぜんしんけんたいかん、なんかだるい)などの身体症状がある場合は、一度は小児科を受診して、器質的疾患(きしつてきしっかん、検査などで症状をひきおこす構造的な異常が見つかる病気)がないかの診察を受けるべきだと思います。
そして、診断がついて、その病気に治療法があれば、医学的な治療を開始していくことになります。もちろん、診断がつかないこと、治療できない病気が見つかることもあります。治療ができる病気が見つかった場合でも、治療には副作用なども考えられますので、ご本人や親の意思で、病気については治療を受けずに経過観察するという選択肢もあります。
例えば、起立性調節障害(OD)の場合は、非薬物療法[37]として
- 水分摂取は1日1.5-2リットル、塩分を多めにとる。
- 毎日30分程度の歩行を行い、筋力低下を防ぐ。
- 眠くなくても就床が遅くならないようにする。
など、ちゃんとした治療法がある病気もあります。
【Step3】(2)子どもが早く学校に戻りたいと思っている場合は、その原因が分かれば取り除く
(1)以外の場合は、以下のような対策になりますでしょうか。
- 勉強遅れ型 → 不登校の原因が勉強の遅れのみである場合、家で親が教えたり、家庭教師や、塾へ行ってなんとかなりそうなら、その対策を行う。無理そうなら、【Step3】(3)へ。
- 学校トラブル型
- いじめ、からかい、嫌がらせ → 学校と相談して、イジメをやめてもらうように話を進める方法もありますが、「チクられた!」と、さらにイジメられる可能性もありますので、最初から転校手続きをする方がよさそうです。
- 人間関係トラブル(友達グループ、先輩後輩) → こちらも転校がよいと思います。
- 先生とのトラブル → 学校と相談して、担任の先生とのトラブルであれば、クラス変更してもらう手もあるかもしれませんが、転校手続きをした方がよさそうです。
- 現実逃避・依存型(ゲーム、スマホ) → 子どもがゲームに夢中になっている場合、親も一緒に、そのゲームで遊んで、楽しむのがよいとする本が多いです[19]。まずは、思う存分ゲームをさせてあげて、飽きるのを待つというのも一つの手段ではあります。しかし、2023年現在、スマホ用ソーシャルゲームは、数十万、数百万人の行動様式を分析した上で構築された、一度のめりこむとやめにくい、依存性の高いシステムとなっている[38]ため、親子ともどもソーシャルゲーム依存に陥らないようにすることが大事です。ゲームをやめるためには、以下の方法が効果的であるという説[39]もあります。
- 「他のもので満たす」:毎日10分でもいいから、散歩やストレッチなどの運動をすること
- 「仕事・勉強」:ゲーム以外の、何かやりたいことを見つけて打ち込む
- 「とにかく1回こらえてみる」:やらないなんて無理な場合は、「やってもいいけど5分後にしよう」と考えるのも手です。→「先延ばし」の手法となります。
- 「物理的遮断」:スマホやゲーム機を手の届きにくい場所にしまいます。しかし、これは親がやってはいけません。あくまで、子ども本人の意思で、子ども本人にやってもらいます。
- 「記録をつける」:今日のやりたいこと、今日のやめたいことをスマホのスケジュール帳またはノートに記載し、後で見直します。また、「物理的遮断」をしたら「B」、「先延ばし」ができたら「S」と紙に書いて、後で見直して「今日はがんばった!」と見直す。
- 親子関係型(親への依存、家庭内暴力)
- 親への依存(幼児返り) → 子どもは「居場所」を求めて、親に甘えてきている可能性が高いです。「愛着理論」の観点から、子どもが親に甘えてきたときは、まずは、思う存分甘えさせてあげると、子どもに安心感が芽生えて、いずれは巣立っていく可能性が高いと考えます。
- 家庭内暴力 → 自己肯定感の低下し、暴力を奮うことにより、自分より下の存在を確認するということがあるそうです。しかし、親が子供に暴力を奮われた場合は、まず、子どもと距離をおき、地域の精神保健福祉センター、児童相談全国相談ダイヤル、法テラスや、全寮制フリースクール(例:共同生活自立支援施設 蔵王いこいの里)などに相談してみるのが一つの手です。決して、子どもからの暴力を、親は受け入れてはいけません。「子どもが暴力を奮うようになってしまったのは、育てた私のせいだから、仕方ない、、、」などと暴力を受け入れると、子ども自身の成長の妨げになりますので、とにかく、まずは距離を置いて、一人で抱え込まず、上記のような機関に相談して解決策を模索していくことが重要です。
【Step3】(3)子どもが、学校以外で学びたいと考えている場合は、学校以外の学びの場所を子どもと一緒に探す
上の表は、2018年の不登校の中学生に聞いた学びたいと思える場所(条件)についてですが、
自分の好きなこと、追求したいこと、知りたいことを突き詰めることができる(67%)
自分の学習のペースにあった手助けがある(44%)
という結果を見ると、そのような条件のあう場所を、学校以外に探すのがよいという考えになります。2023年現在、文部科学省の後押しもあり、公営、民間に限らず、たくさんの、
学校以外の学べる場所(学校の出席としてカウントしてくれるところ多数)
があります。以下に、「不登校でも学べる 学校に行きたくないと言えたとき(2022年) 」に記載されている「学べる場所」を列挙させていただきます。子どもと一緒に実際に見学してみて、子ども自身が行きたいと言った場合に、行ってみるのがお勧めです。
- ホームスクール&ホームエデュケーション家族会:2021年に設立された、家庭を拠点とした教育「ホームスクール」を行う保護者同士で情報交換したり、気持ちを理解しあったりするための会です。2か月に1回、オンラインおしゃべり会が開催されています。「不登校というマインドですごすよりも、ホームスクーラーとして日々をすごすほうが、親子ともに前向きにすごせます」という方もいるそうで、しっかりやっているかどうかは別として、心無い他人に「今どうしてるの?」と聞かれたら、「ホームスクールしています」と堂々と返事をするのが、精神衛生上よろしいかと思いました。ホームスクールの具体的な方法については、
- 教育支援センター(2003年に「適応指導教室」から名称変更):不登校児童生徒の無償の学習機会を確保し、支援の中核的な役割を果たすために、全国の自治体の約6割に設置されています。学校に籍を置きながら、不登校の子どもたちに個別にニーズに対応するための機関です。自治体によって、提供するサービスや質はまちまちとのことです。
- 神奈川私学修学支援センター:神奈川県の、私立中学高等学校協会が設立した、不登校の子どものための個別指導の塾です。ここでの学習が、在籍校での出席人数に加算されます。
- フリースクール
- いもいも 森の教室(東京都あきる野市)
- ビーンズ(東京都飯田橋駅近く):進路指導やキャリア教育に軸足を置いた不登校支援の塾です。最終的に、ビーンズがなくてもなんだかんだで楽しく生きていける状態になること(自立)を目標として、個別指導を行っていくとのことです。
- カタリバ:不登校の小中学生たちが集まり、おしゃべりをしたり、授業に参加したりする仮想空間「room-K」を主催しています。
- 星槎ジュニアスクールPAL立川(東京都立川市)
- 東京シューレ:創立者の方の著作の「明るい不登校: 創造性は「学校」外でひらく(2019年)」は、ぜひ一読をおススメします。
- 不登校特例校:2022年時点で全国で21校ある、一条校(卒業すると、公的な卒業資格が得られる)でありながら、一年間の総授業時数を減らしたり、不登校お子どもでも学びやす設計されている学校です。
- 通信制高校
なお、中学受験塾、高校受験塾、その他の塾(不登校支援の塾など)でも、一般論として塾を選ぶ場合、
- あまりに急激に校舎数を増やしている塾
- 料金を公開していない塾
は、避けるのがセオリー[32]だそうです。
不登校と自己肯定感の関連について
自己肯定感とは、
ありのままの自分を肯定する、好意的に受け止めることができる感覚
のことです[35]。
自己肯定感については、以下の動画のまとめてみましたので、ぜひご覧ください。
不登校対策で、やってはいけないNG集
夏休み明け、春休み明け、ゴールデンウィーク明けの順に、18歳以下のこどもの自殺が突出しています。多くの子たちは「学校は嫌でもつらくても行かなくてはならない」と思っています。だから、先に書いたように、長期休み明けの自殺が生じ続けている[6]とのことです。上のグラフを見たら、子どもを無理矢理、学校に連れて行こうとする親は皆無になると思います。
以下は、全てが絶対にやってはいけないNGではありませんが、様々な本に、やらなければよかったと記載さしてあったことをリストアップしてみます。
- 小学4年のある女の子は、学校の強い指導のもと、玄関から出るのを嫌がって柱にしがみついているのを、両親に指1本ずつはがされ、車へ押し込まれました。校門に着くと、無理に降ろされ、ランドセルも投げおろされて、両親の車は走り去りました[25]。 → 2023年現在にこれをやったら犯罪ですね。
- 廊下登校、階段登校、別室登校、相談室登校[13, 25] → 親子で別室登校は、親も子も学校に気を使い、頭がおかしくなりそうになるという経験談もあります[12]。もちろん、学校側は、よかれと思って勧めてくるのですが、合わなければ、きっぱりお断りしてよいと思います。
- 将来から逆算した恐怖と不安で子どもを駆り立てない[32]
わが子が不登校になってしまったら読んでほしいお勧めの3冊
良い本はたくさんあるのですが、どれか3冊と言われたら、以下の3冊をぜひお勧めします。上から順に読んでいただけると、読みやすいと思います。
付録:小学生の不登校の解決方法の具体例
何冊か「不登校に関する本」を読んで、本の著者の主張として、
- 「無理に学校に行かなくていいよ派」と、「頑張って登校再開しよう派」
- 「こどもを環境に適応させる派」と、「環境を変えてみる派」
がいるようでした。小学生の不登校の解決方法の具体例としては、
- 子どもの話をゆっくりと聞く時間をつくる[13]
- いま通学している学校への復帰を目指す(そのための方法は多種多様)
- 転校する[4]
- 親が引っ越して転校する[女子とお金のリアル]
- 学校は行かなくてもよいとする
- 子どもを何とかする前に、それをしようと苦悩している親自身をまずなんとかするのが最優先[21]
- 疲弊した心身を安心して休めることができる環境として、家を子どもにとって居心地のよい場所、心の充電をできる場所とするようにする[21] →参考:愛着、安全基地
- 「あなたはあなたの人生を生きなさい」という態度で、こどもを受け入れる。さらに、いろいろな選択肢を提示し(例:美術展に連れたいったりする)、何をするかは子ども本人に決めてもらう[4]
- ゲーム依存に対しては、子供がやっているゲームを親が一緒にやる「共同作業法」が依存状態の解消につながる可能性がある[19]
- まずは、家の中をストレスがなくて、居心地の良い状態をつくることに専念する[19]
- フリースクールに行く
- 中学受験(大学受験)の塾だけ行く[二月の勝者, 小学生は9割が入学を機に学校復帰、「不登校からの受験」秘訣を塾講師が助言 ]→環境を変える
- 本人にまかせる[中学受験が不登校の原因に? 学歴社会に苦しむ小学生たちの心理を『不登校新聞』編集長に聞いた]
- 親子一緒に解決策を相談する
といった感じでしたが、大まかに分類すると
- 子どもを変える
- 環境を変える
のようになると思いました。また、上と重複することもありますが、
- 親子関係を再構築(愛着など)
を勧めている本も多い印象的でした。
不登校の本人の悩み
いろいろな本に記載されていた本人の悩みをリストアップします。
- 学校に行けない自分はダメなやつなんだと思う(自己肯定感の低下)
- 本当は学校に行きたい
- 本当は学校に行きたくない
- 親に申し訳ない
- 學校に居場所がない
- 甘えて生きている気がする[https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/274/]
- お金が人の価値
- 死にたくなっちゃう
- 不登校になった経験から「自分はダメな人間だ、皆、学校に行っているのに行けなかった」「皆授業に出て勉強しているのに自分はしていない、これでは人生やっていけない」という否定的な自己認識を持つ[6]
- 親やまわりの大人がよかれと思ってやったことが、本人をより苦しめたり、追いつめたり、関係がこじれて長期によくない状態が続いたりすることがある[6]
不登校の子どもを持つ親の悩み
本で読んだよくある悩みなど
- まさか自分の子どもが不登校になるとは思っていなかった、なんでうちの子が![21]
- 不登校は、朝の体調不良で始まることもある(いま登校は無理だよ、つらいよ、休みが必要だよ、と体が訴えている)[6]
- 2,3日すれば、学校復帰するだろう[12]
- 嫌がる子どもを学校へ行くのを説得するのにすごく疲れる[12]
- 毎日、学校を休むことを伝えるために学校に電話をするのがすごく疲れる[12]
- 周囲の視線や言葉が気になる[12]
- 他の子と比べて焦る(あせる)
- 親自身の心がまいってしまう
- 親が鬱(うつ)になる
- 「学校へ行かせないと人生がダメになる」「進学も認められない」と思い込む[25]
- 自分の子どもの不登校という事実を受け入れられない[21]
- 小学校低学年のママは、子どもが不登校になったことで、仕事をやめたり、ひたすら子どもの遊び相手をせざるをえない[21]
- 子どもが不登校になるのは親である自分の教育に問題があったのかと悩む
- 将来のことではなく、いま、困っている
- 不登校の原因が分からない(不登校まっただ中の子どもが原因を話してくれることは少ない、本人も原因が分からないこともある)
- 不機嫌なパパに気を遣い、意見の合わないパパとの関係性にも悩み、パパと子どもの間に立って緊張する[21]
- 子どもの自己肯定感を上げるために、引きつった笑顔で「生まれてきてくれてありがとう」「あなたは大切な宝物だよ」と言ってみた[21]
- 不登校の本を読みまくって、頭ではいろいろ分かっているのに、理想の対応ができない、心が追い付かない、不登校という現実についていけない自分にどんどん苦しくなっていく[21]
- 「学校に来ちゃえば普通ですよ」と言われるが、朝、学校に行くのをすごく嫌がって、学校に行かせるのにものすごく苦労している(→場合によっては、子どもが学校では我慢していい子を演じてストレスがたまっている可能性あり)[12]
不登校の子を持つ親の悩みの解決のヒント
- 「不登校」は、国も認めた(2017年「普通教育機会確保法」)子どもの権利であることを認識する(参考:)
- 過去のことよりも、今できることに注力する[15]
- 学校が選べる制度であれば、嫌なこと、苦しいこと、合わないことがあった場合、選び直してそのメンバーではなくなることができるので、「不登校」は生じない[25]。
- こどもの中で、「行かれない体」と「行くべきと考える頭」が分裂している──この矛盾をなくすには、体に合わせて頭も、行っていないということを受け入れる必要があります。そうやって、子ども自身が不登校を受け入れたとき、心も体も楽になっていきます[6]。→親も、不登校を受け入れる。
- 学校に行かないのなら、学校以外の時間をどう使うかが重要。自分が誇れるものを作ることにチャレンジ[4]したり、子ども自身が何かやりたいことを見つけて、親は見つける手助けや、見つけたら、それを全力で応援するのがよいと思います。
不登校の経験を公表している有名人
- 家入一真
- 吉藤オリィ
- 小幡和輝
メモ
- 不登校の原因のひとつに、「愛着」不足がありそう。。。 → 愛着attachmentに関してはこちらに記載しましたので、もしよければご覧ください
- 親が、「ありのままを受け入れる」ことが大事という本が多い。
- 不登校と「自己肯定感」の関連について述べた本が多いが、はっきりとしたエビデンス(科学的根拠)は見つけられず
- 自分のこどもが「学校に行きたくない」と言ったら、できる限り、話を聞いて、学校に行かないことを認めてあげたい。。。(しかし、「りさお」は、現在は、いきなり当日、仕事を休むことができない、、、と自分では思っています。。。どうしたものか、、、)
参考文献
1行感想文は、子育て本(一般)に記載しています。
- 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-用語の解説(文部科学省)
- 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果(令和3年度) 4.小・中学校の長期欠席(不登校等)(e-Stat)
- 令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果 (PDF:1,146KB)(児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査)
- 学校は行かなくてもいい: 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」(2020年)
- 学校に行けない子どもの気持ちがわかる本(2023年)
- 明るい不登校: 創造性は「学校」外でひらく(2019年)
- 国民の三大義務について教えてください。(前編)
- 不登校は義務教育についての法律に違反する?最新の法律を確認する 2021.6.18
- 「登校を目標にしない」国の不登校支援方針、保護者の56%が知らず 学校現場での認知不足が課題に 2023.8.9
- 不登校児童生徒への支援について(文部科学省)
- 女子とお金のリアル
- 学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで(2023年) → マンガで非常に読みやすく、かつ、解決策の具体例がたくさん記載されています。不登校のお子さんの心がピュアで大人でやさしくて、読んでいて胸がチクリと痛くなったり、また、心温まったりします。超お勧めの一冊です。
- NPOカタリバがみんなと作った 不登校ー親子のための教科書(2023年)
- 子どもが不登校になっちゃった!(2022年)
- 不登校の教科書: 9割が改善! シンプルなのによく効く3つの魔法(2022年)
- 子どもが学校に行きたくないと言ったら読む本(2020年)
- 不登校は子どもからの「メッセージ」 不登校から抜け出し家族に笑顔を取り戻す習慣(2021年)
- 娘が学校に行きません 親子で迷った198日間(2013年)
- 不登校は9タイプ: 教室復帰の7ステージと不登校の抱える6つの不安心理の説明書(2017年) →不登校の子どもを9タイプに分けるという考え方は単純明快で分かりやすいです。解決策として著者の他の本を読んでくださいと記載されていてがっかりな面もありますが、「共感の会話法」「共同作業法」「身代わり会話法」は参考になりました。
- なぜ不登校児童に好きなことだけさせてはいけないのか: 子どものこころ専門医が教える不登校児童の笑顔を引き出す方法(2022年)
- 子どもが不登校になったら読む本 ——すべて解決できる〝笑顔の処方箋〟(2021年)
- 「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること(2021年)
- 不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)平成28年9月14日
- 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
- 明るい不登校 創造性は「学校」外でひらく(2019年) →
- JRC蘇生ガイドライン2020
- 生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て(2022年) → 非認知能力の中でも最も大事なもののうち「愛着」について、なぜ大事なのか、また、安定型愛着を育む方法について、やさしく記載されています。
- 何のために学校に行くの?【答えの一つとしての意味と目的】 2020
- どうして学校へ行くべきなのか? ~勉強だけじゃない2つの理由~ 2021
- 東京都公立学校数、学校選択制の実施状況及びコミュニティ・スクールの状況について 2019
- なぜ、いま?渋谷区立小学校学校選択希望制廃止なのか? 2021
- 不登校でも学べる 学校に行きたくないと言えたとき 2022
- 【海外進学、いくらかかる?】海外トップ大学の学費·奨学金事情を解説/知っておくべき教育マネースキル/幼児期の英語学習法/偏差値より 大事なカリキュラム 2023
- 昼夜逆転は不登校によくあること? 昼夜逆転の原因と8つの治し方 2023
- 自己肯定感とは?自己肯定感が低い人の特徴や高めるための方法も紹介 2021
- 不登校傾向にある子どもの実態調査 2018
- 起立性調節障害(OD)
- しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール(2020年)
- マンガでわかる心療内科 依存症編(ネット・スマホ・ゲーム・ギャンブル・ポルノ) 2016
- 生産性が爆上がり! さる先生の「全部ギガでやろう!」 2023
参考リンク
- 【解説記事】文科省調査で過去最多の24万超え。不登校児童生徒の現状と、今ある支援を紹介2022.11.09
- 【登園・登校しぶりの90%の子どもは夏休み以前からと回答】長期化する問題に53%の保護者が対応が分からないことが判明~2学期データリサーチ結果報告~ 2022.9.16
- 【教えてのりそら先生】教育機会確保法 2021.8.5
- 1年で200以上の小中学校が姿消す:児童・生徒数も最低を更新 2019.8.26
- 夏休み明け「子どものSOS」親が知らない”危機”「想像以上につらい」この時期に知っておきたい 2023/08/28
- 公立の数学の授業を見て感じた「悲惨さ」の正体日本の一斉授業は本当にこのままでいいのか 2020/07/07 → 生徒同士で学力差がありすぎると、アクティブラーニングが毒になるという例が挙げられています。
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- 数学できる子・できない子を生む算数教育の盲点テクニックではなく、理解を促す3つのヒント 2019/09/09 →「全て」と「ある」が大事とのこと。3ケタ同士の掛け算は、最近、りーたんにやってもらっていて、2桁と比べてかなり面倒そうでしたが、この本の解説を読んで、理由がわかりました。
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