社会人として高校必修科目「情報Ⅰ」の内容を、2023年のいま、学ぶ
高校の「情報I」の教科書が素晴らしいというお話がいろいろ聞いていたのですが、Googleでお勧めされた記事「2024年に読んだほうがいいエンジニアな書籍10冊+α – CloudとSREそしてキャリア本」でお勧めされていたので、読んでみたら、内容が面白過ぎて、また自分の役に立ちそうで感動しました。
2022年入学の高校生から、「情報I」という科目が必修化され、国立大学受験者は、2025年1月実施の大学入学共通テスト(旧センター試験)から、新たな受験科目(必修)となります。「高校生だけじゃもったいない 仕事に役立つ新・必修科目「情報Ⅰ」」は、
- 高校で「情報I」が必修化となった理由(すべての社員が、ITの言葉でプログラマーやSEと会話をして、業務改善を行えるようになるため)
- 「情報I」で学ぶことの内容
- 「情報I」を超えて、機械学習、生成AIなどの2023年の今、学ぶべきこと
を記載してくれています。目から鱗でした。子育てする親だけでなく、現代を生きるすべての社会人にお勧めしたい本です。なお、高校の必修科目で新しい科目が追加されるくらいですから、社会人に必要な素養として、日本の多くの会社では、高校の「情報I」内容+αの内容の、
ITパスポート試験
という国家資格の試験を受験を推奨しているとのことです。本を読んだだけでは身につかないことも多いので、ITパスポート試験勉強をして、(合否は気にせず)試験を受けてみるのもよいかもしれません。
Contents
2022年11月公開の大学入学共通テスト「情報I」試作問題の衝撃
大学入学共通テスト(旧センター試験)は、国立大学を受験する高校生としては、国語以外は基本的に満点を狙う試験だと思いますので、2030年頃には、このテストで満点を取るような新入社員が企業に就職してくることになります。その試作問題の一部が以下となります。
最初にこの問題を見たときは、恥ずかしながら、問題文が何を言っているのか分からないことは当然として、表と図を見た瞬間に問題を解くことをあきらめました。
じゃあ、こんな問題が解けなくても仕事ができて給料を稼ぐor会社を経営することができるのかというと、上の問題は、例えば、
病院の患者さんの待ち時間を減らすためには、どのようにシミュレーションを行ったらよいのか
と全く同じ問題であり、本書の第一章で指摘されているように、
仕事で、業務改善をするための基本的知識(ITを含む)
と直結している、実学に役立ちそうな雰囲気を感じました。本書の第1章「情報Iの衝撃」では、以下のようなキーワードを含め、現代社会において「情報I」の内容を社会人全員が習得することがなぜ必要かについて、わかりやすく説明されています。第1章だけでも必読だと思いました。第1章を読むと、後の章を読まざるを得なくなるのですが、、、
- 読み書きそろばんとしての「ITパスポート」
- 社会人が「ITパスポート」(国家資格)で学ぶことを、高校生は、「情報I」で学ぶ(2022年から必修化)
- 2023年時点での社会人がリスキリングするなら「ITパスポート試験」の勉強と受験がお勧め
- 社会環境の変化に対する企業の適応能力であるアジリティ(Agility)とは
- 日本企業の強みは、メンバーシップ型雇用で人事異動による人材育成と、人事異動による課題の解決であった(日本企業の人事異動によるアジリティ)
- コンピュータ無しでは仕事ができない現代の業務改善は、ソフトウェアの設計・開発・改修である
- ディスラプション(破壊的変革)
- DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
- DX前の働き方、DX後の働き方
- 労働とは「人間が働く」から「ソフトウェアと共働する」へと変化していく。そのため労働者に求められる資質と能力も大きく変化していく
第2章 情報Iの概略を掴む
新しいことを学ぶことは、新しい言葉を学ぶことに近いことになることが多いのかもしれませんが、その「言葉」の定義と、その解説が非常にわかりやすくて、仕事で役立ちそうです。
中でも面白かったのが、
2000年頃始まった公開日記やブログを通じて「人への働きかけを行わない、自己の考え・思いの情報発信」という、新しいコミュニケーション形態が生まれ、これが、ミスコミュニケーションの原因になっている
という内容でした。
また、
「情報I」は座学だけでなく、大量の演習がセットなので、手を動かしてプログラミングの勉強をしてください
とのことでした。ちなみに、Pythonのプログラミングは、GoogleのIDを作成すれば、Google Colaboratoryですぐに実行できます。ゼロからのPython入門講座を見ながら、すぐに、Pythonの勉強ができますが、無料で楽しく学べるサイトや、YouTubeなどを見ながらやるのがよさそうです。
その他、本章で気になったことをリストアップします。
- 「クラウド」とは、コンピュータを自前で保有するのではなく、必要なときに必要な台数だけコンピュータをレンタルして制御すること
- クラウドサービスの登場によりソフトウェアの更新コストが低下したため、ITエンジニアを内部に抱え、クラウドを用いて自らのソフトウェアを素早く更新していくかが、アジリティの源泉へと変化した
- そんため、非IT企業でも、IT人材の直接雇用が積極的に行われており、大手企業ではIT人材を総合職と別枠で採用する動きも出ている
第3章 情報Iをより深く理解する
コンピュータと人間は何が違うのか?
現代のCPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)は、レジスタ(register)と呼ばれる、数個~30個程度の演算用メモリを持っています。そして、基本的には演算は2つのレジスタの間での演算に限られます。つまり
コンピュータは、2つの値しか同時に見る(取り扱う)ことができない
という性質を持ちます。
プログラミングとは、
CPUの意味がわからなかったのですが、以下の動画を見てなんとなく納得しました。
CPUについてのリンク
- 【IT用語】 CPUとは?処理速度に最も影響するパーツについて解説!
- プログラムとは
- 第1回 CPUは数百本の足を持つトランジスタのかたまり
- CPUの基本構成を理解するための3つのポイント!
- 演算装置【コンピュータの五大装置】
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