出口汪『子どもの頭がグンと良くなる!国語の力』
『英語力向上には国語力が不可欠』(参考:世界で活躍する子の<英語力>の育て方)とのことで、国語力の教育本を読んでいるシリーズ第2弾は、『りさお』が2000年頃に大学受験国語の問題集でお世話になった出口汪(でぐちひろし、ずっと、でぐちきょうって読んでいました、、、)先生の以下の本です。
2000年頃の『りさお』の大学受験時に有名だった講師の方で、私がこどもの教育本を読むようになった2020年頃にこどもの教育本でまたお世話になっているのは、SEGの古川昭夫代表(英語多読法、例えば、親子で英語絵本リーディング: イギリスの小学校教科書で始める (実用外国語) 単行本 – 2011/2/16)です。数学の先生が英語の勉強法を学んで本を出版するなんてびっくりしました。
Contents
大学入試現代文教師が小学生の教育をするようになったきっかけ
- 現代文の大学入試問題を論理的に解明し、受験生を指導
- 入試問題を論理的に解くためには、『自分で考える力』が必要(詰め込み勉強では限界あり)
- 『自分で考える力』をつけるためには、小学生からの指導が必要と実感
という流れで、大学入試の塾講師が、小学生を教えるようになり、本を出版するに至ったとのことです。つまり、この本は、
小学生から自分で考える力をつける
ための教育方法の説明となります。
漫画 + 解説
という、とっつきやすく、非常にわかりやすい構成になっています。
国語力とは、「ものごとの筋道を立て、それを理解する力のこと」=「考える力」
というのが、本書の国語力の定義となります。もう少し具体的には、
論理的な読解力と、漢字・語彙などの言葉の力
とのことです。
これからの時代は、次次に起こる未知の問題を、自分の頭で考えて解決する力が求められており、そのために必要なのが、国語力とのことです。
では、どうやったら、国語力を教育することができるでしょうか?
幼稚園から、親が子供とコミュニケーションをとり、一緒に読書をすると国語力のベースが作られる
この2つが大事とのことです。
(1)常に子どもとコミュニケーションをとりながら、子どもの言葉遣いを注意深く観察し、論理的にわかりやすく会話する。
- 感情語(「ムカつく」「ウザい」など)ではなく、論理語(何がどのようにムカつくのが他人に説明するための言葉)で会話する
- 筋道をたてて、日本語の規則に従って言葉を使って会話する
- 他者意識(人と人はそう簡単にわかりあえないという意識)を持って、相手の立場に立ってものごとを考え、会話する
- 日常会話の中でも、論理的思考を反映した会話をするよう、子どもに指導する
- 子どもに「なぜ?」と聞かれたら、一緒に考えたり、辞書で調べたりする
- 論理が破綻している会話を親がしないように気をつける
- 子どもが何かを主張したら、 必ず「対比」できる他の何かと比べ て、それぞれ の一長一短を考えさせる
- 子どもの主張があったときに、あえて反対意見を持ち出して、子どもに考えてもらう
(2)幼稚園~小学校低学年の頃には、親が毎日一冊、絵本を読み聞かせてあげる。一緒に書店へ行って、子どもが好む本を買ってあげる。
やはり、『親が子供に絵本を読み聞かせる』ことは、どの育児書にも超大事だと記載されています。我が家でも、現在、1か月に1回以上は家族4人で本屋へ行き、『りーたん』(3歳)と『りりー』(1歳)に絵本を選んでもらい、購入して、おうちで極力、読み聞かせるようにしています。残念ながら、まだ3歳の『りーたん』は、絵本の文章をあまり音読したがりません。強制はよくないのですが、ついつい、たまに『りさお』が絵本の読み聞かせをすると、こどもに音読してもらいたくなってしまうものです。
読み聞かせの実際は、ほぼ『りさこ』に丸投げ状態で、りさこの声がかれてしまうことがあり、心配です。『りさお』も少しだけ読み聞かせにtryしたら、1日で声が枯れました、、、どうしたらよいのでしょう、、、
親から子への絵本の読み聞かせは大事だけど、親はしんどい
これは事実です。
小学生が習得すべき日本語の3つの論理
国語で求められる論理的な読解力とは、筆者のたてた筋道をありのままに読んでいく力であり、
文と文の論理的関係である接続語を理解し、正しく使って文章を作成する訓練
が重要だそうです。中でも、本書では、小学生が習得すべき論理として
- 因果関係・理由づけ:「だから」「なぜなら」
- イコールの関係:「つまり」「すなわち」「たとえば」、(比喩)
- 対立関係:(対比)、(譲歩+逆説)
を挙げています。
たとえば、イコールの関係では、
A(筆者の主張)=A’(具体例、体験、引用)
のような構造になっています。子供が「今日は学校が楽しかった!」と言ったときに、親は、
『どんな風に楽しかったの?(体験)』
と子供に問いかけて、例を挙げさせてみるという会話も、子どもの国語力の向上に大いに役立つとのことです。
幼稚園の頃から、 日常会話の中で 「イコールの関係」「対立関係」「因果関係」などの規則に従って言葉を使う訓練をする
ことが、国語力(=考える力)を育むとのことでした。
子どもの頃から主語と述語の関係を意識させる
本書では、頭の使い方を変える勉強法として、以下が挙げられていました。
- 文章は「主語」と「述語」に着目(日本語の場合は主語が省略されることがあるので、先に「述語」に着目。)
- 言葉がなければ考えられないので語彙(漢字)を増やす
- 漢字は、必ず例文の中で覚える
- 小学校高学年では、漢字一字が持つ本来の意味を理解することが大切
こどもの『論理力』を鍛えるために「伝えるノート」を書いてもらう
http://www.suiohsha.jp/files/kokugo_chikara/tutaerunote.pdf からダウンロードして、親子で文章を書くことでコミュニケーションをとり、論理力を鍛え上げるのが有効だそうです。何歳くらいからできるかな?うちの子は恥ずかしがってやってくれないかもと不安にはなりますが、何歳になったらやってもらおうかと少し悩み中です。
まとめ
子どもの国語力を鍛えるためには、幼稚園からの親子の会話で論理力を鍛えつつ、毎日絵本の読み聞かせ→親子で読書を継続が大事ということは、『ユダヤ式「天才」教育のレシピ 』とほぼ同じでした。本書は「国語」として一歩踏み込み、論理力向上のために、こどもとの日常会話の中で、「イコールの関係」「対立関係」「因果関係」などの規則に従って言葉を使う訓練をするというところが特徴的でした。さらっと読めますし、お勧めの一冊です。著者は幼児・小学生用のいろいろなドリルも発売しており、やってみたいなと思っちゃいましたが、今持っているドリルが全然終わりませんので、終わったら、『りさこ』と相談してみたいと思います。(ダイエットは明日から!?)
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