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『Appleのデジタル教育』にはこどものモチベーションを上げるためのヒントがあった

iPadやMacなどこデジタルデバイスの具体的な活用方法については記載はありませんでしたが、生まれながらにインターネットに囲まれている『インターネットネイティブ世代』(2000年以降生まれの世代)の教育方法として、『チャレンジ設定型学習』がお勧めであり、そのためのデバイスとしてインターネットに接続されたiPadとか有用だと記載されていました。

著者は、教育方法を『リワイヤリング』(更新)するのが大事だと繰り返し述べていましたが、残念ながら、修正とリワイヤリングの違いが私には理解できませんでした。

1979年以降生まれの世代には、生まれた時からパーソナルコンピュータ、電子ゲーム、タブレットに囲まれており、『パソコンがあるのが当たり前』とのことです。『りさお』はほぼこちらに該当しますが、2020年前後に生まれた『りーたん』は生まれたときからインターネットに囲まれた『インターネットネイティブ世代』とでも呼べばよいでしょうか?

ググれば、ある程度の情報はすぐ得られる2021年現在は、図書館に行かないと最新の医学論文を読むことさえかなわなかった1990年とは、『求められる人材』『お金を稼げる人』『しわせな人生を送る人』は明らかに異なる可能性が高いと考えられます。当然、そうなるためのこどもの教育方法も変わってくるでしょうし、

自分が教育されたのと全く同じように子どもを教育するのは、もはや虐待に近い危険性

さえあるのではと危機感を覚えました。以下、一部のチャプターについて、私なりの要点のまとめと感想を記載させて頂きます。

Chapter1 リワイヤリング

この章はこの一言に尽きます。

昨日教えたように今日も教えたら、子供たちの明日を奪うことになる

ジョン・デューイ

Chapter2 教育の目的

1800年頃のアメリカの学校では、新しいことをそれぞれが興味を持てるやり方で楽しそうに学んでいる生徒でいっぱいで、個々の生徒に応じてパーソナライズ化された学習が行われていたとのことです。

それが、1910年頃に、石油王ロックフェラーその他の経営者の意思によって、多くの子供が『スキルの低い労働者』となるように、『クラス全員が同じことを丸暗記』するような教育方法に変化を遂げたと、筆者は主張しています。

こんなことを聞いたのは初めてで、個人的にびっくりしました。本当だとしたら怖いですね。日本で言えば、『消費税をもっと上げろ!』と言っている経団連とかが、そっくりな印象を受けます。

Chapter3 人間の可能性

知識を授けることを中心とした教育は終わりにし、人間の可能性を解放するための新たな道を模索すべきだ

マリア・モンテッソーリ

モンテッソーリ教育については、過去に、以下のような本を読んで実践したいなと思いましたが、そのうち忘れてしまって、我が家では最近は全くやっていません。

成功は相対的な概念であって、絶対的なものではない

『学生時代は学業成績がずばぬけてよくて、良い大学に進学して、起業して、大金持ちになる』

自分のこどもの人生ってこんな感じが理想かなと『りさお』は思ったりもしていました。でも、この本を含め、子育て本をいろいろ読んでみると、こども本人が幸せに感じていないと、そんな期待をかけて子育てをしても、結果的に親も子どもも不幸になりかねないかなと感じるようになりました。

本書では、

  • どんなこどもも、それぞれの形で成功する可能性を秘めている
  • 成功するのは学業成績に限らず、バイオリンだったり、スポーツだったり、その習得スピードもこどもごとに異なる
  • それぞれのこどもの可能性をいかす

ことが大人の役割だと言います。そのためには、こどもへの期待として、「高い期待」を、すぐに成果が出ることへの期待とイコールにせず、生徒への期待は、

  1. すぐに成果があがるもの
  2. 将来的に成果があがるもの

の2層にかけるべきだとのことでした。

『こどもが興味を持ち、やりたいと言っていることをできる限り応援する』

と私は解釈したのですが、そのやりたいことが、

  • Youtubeをだらだら観る
  • テレビゲームをし続ける

だったら、それを応援するのか?食べていけるようになるの?引きこもりにならない?と少し不安にもなりました。

この章では、

『やりたいことなら本当に何だってできる』

という声かけが有用であったトッド・ローズ博士の例も挙げられていました。とりあえず、この言葉をときどき、りーたんやりりーにお話しておくのがよいかなと、、、

ちなみに、うちでは、3歳の『りーたん』がスクールでバイオリンを習うようになったのですが、家で1歳の『りりー』がそのバイオリンをすごく楽しそうに触って30分くらい離しません。

そのため、今度、まだ2歳にもならない『りりー』を、バイオリン教室の見学に連れていく(正確には、『りさこ』に連れて行ってもらう。いつも、子育ては『りさこ』にまかせっきりで、申し訳ないと思っています。)ことにしました。続くでしょうか、、、

Chapter4 モチベーション

子供の教育は、子供が生まれつき得意なこと、興味があること、好きなことを子供自身に発見させることを第一にすべきだ。

とのことでした。それには賛同しますが、不安があります。以下の本の感想にも書いたように、親である私自身が『やりたいこと』を発見出来なかった気がするので、自分が出来なかったことをこどもに期待するのは、すごく不安があります。

モチベーションには、

  • 外発的モチベーション(外からの報酬を得るため、罰を避けるため)
  • 内発的モチベーション(自分からやりたいからやる)

の2つがありますが、『外発的モチベーションは短期的には有効で、現在の教育システムはその誘発を目的としたつくりになっているが、長期的な学習を促すのは内発的モチベーションであり、教育システムはこちらの誘発を目的とすべきだ』というのが本書の主張で、内発的モチベーションを高めるテクニックとして、以下が挙げられていました。

  • 生徒に選ばせる
  • 現実的になるべきく、ならざるべきか
  • 失敗して学ぶ
  • グリットという地から

1番目の『生徒自身に選ばせる』ですが、私の最も大好きな映画の一つである『マトリックス』でも、『自分で選んだことは人はやり遂げる可能性が高い』というようなフレーズがあり、これを映画館で聞いた時はゾッとした記憶があります。

3番目の『失敗して学ぶ』ですが、たしか、アメリカのベンチャー企業がファンディングを得るための面接で、『今まで一度も失敗した経験がないと採用されない』というのをどこかで聞いた覚えがあります。

アップルでは、

『短期的な失敗が生まれなければ、イノベーションを起こすほどのことをしていないとみなされた』

とのことで、本書では、

親は、学習でこどもが失敗することを受け入れるだけでなく、むしろ、失敗することを後押しすべきである

と主張します。失敗して一段階ずつ上に登ることを

DP 限界的訓練

『失敗のたびに具体的な何かを学習し、試みるたびに難易度を上げていく。』

ことを一万時間くらい繰り返すと、その分野の才能があれば、専門家レベルに到達できる確率が高まるそうです。

4番目の『グリット、やり抜く力』については、以下に読んだことがありました。実践したいですが、なかなかできません。

Chapter8 チャレンジ設定型学習

筆者のお勧めの学習方法として、

CBL チャレンジ設定型学習

を紹介しています。何かの教科に関係あることであればテーマは何でもよく、生徒が決めて、教師は生徒がやっていることに疑問を投げかけ、生徒が自分たちでテーマを解決する手助けをするとのことでした。具体的な例としては、カリフォルニア州小学4年生の教育目標として、『カリフォルニアの歴史に精通する』という指標があったとき、講義、暗記、テストというやり方ではなく、

  1. カリフォルニアの超有名大富豪になったとして、その大豪邸に、カリフォルニア歴史上の有名人を招いて晩餐会を開くとする
  2. 誰を晩餐会に呼んで、誰を呼ばないか
  3. 席順はどうするか?
  4. 隣同士に座った歴史上の有名人たちは、どのような会話をするであろうか、劇をして動画を作成して共有する

などといったことをするそうです。楽しそうですが、生徒が主体的に動くことはもちろん、チームワークも必要になってきます。日本でやるとすると、以前読んだ、以下の本がかなり参考になります。中学校の授業での、1人1台のタブレットを用いて『過疎化した自分たちの町を復活させる』という壮大なテーマに対して生徒達が町の人を巻き込んで突き進んでいくアクティブラーニングの具体例が出ています。

Chapter10 創造型構築

筆者はデジタル時代の今、『21世紀版学習のABC』として

  • Access アクセス
  • Build 構築
  • Code コーディング

の3原則が必要だと述べています。

『アクセス』は、優秀な教師、優れた学校、教育を変える力を持つテクノロジーなどが利用できるようになることを意味するとのことですが、例えば

  1. 学習アプリをインストールしたiPadを全生徒に提供し
  2. 高速なインターネット回線を学校と家庭に用意
  3. 教師に対しては教育においてiMacとiPadを使いこなす研修を実施
  4. 生徒に対しては一人ひとりに適したデジタルコンテンツ(アプリ)を提供

といった具合だそうです。たしかに、Appleが成功した理由の1つとして、

『アップルストアに行けばいつでもMacの使い方を教えてもらえるという教育体制』

が大きかったのではと個人的に思います。

『Build 構築』は、「必要になるツールについてではなく、ツールの使い方を学ばせることで、問題解決を教えるという考え方」とのことです。生徒は自らの手でもの(動画でも、モノでも、プレゼンテーションでも)を作る経験を通して学びます。

2005年以降、『メイカームーブメント』といって、

『ものを作って楽しもう』

という流れがアメリカを始め全世界でおこつているそうです。たしかに、ゲームでも、自分で好きなブロックを設置して冒険に行く『マインクラフト』が有名です。ものを作るのが好きな人を『maker メイカー』と呼び、に2021年現在、日本でもMaker Faireという、メイカーたちのお祭りが毎年開催されています。一度、家族で行ってみて、こどもに興味を持ってもらったら、何か作ってもらえたらななんて思っています。

まとめ

この本には、いままでわたしが読んだ教育本がたくさん出てきました。2010年代の教育のトレンドは

  • こどものやりたいことを気づかせてあげて、それを手助けする
  • デジタルデバイスなどを利用して、主体的に、作りたいものを作ってもらう
  • そのためにも、モチベーションをあげたり、やり抜く力を養う手助けをする

といったところのように感じました。りさおは、今のところ、そんな風に子育てできたらなあと思って過ごしています。

なお、日本人は母国語が日本語ですから、

英語ができるような環境作り(できれば、こちらもこどもが主体的に楽しく)

も、必要かなと考え、次は以下の本を読んでみたいと思います。

育児書

Posted by risan


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