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教育を通してすべての人に『生きる力』のヒントを与えてくれる『まんがで知る未来への学び』(全3巻)

りさおは父親になって、『我が子のために』、なんとなく育児書を読み始めました。しかし、この本を含め、いろいろ読んで実践するうちに、最近は『親である自分自身のために』読んでいることに気づきました。この本も、親自身の人生を豊かにしてくれる本だと思います。

本書の著者は、小中学校の教師をされていました。平成29年(2017年)に公示された『学習指導要領』をベースに、高齢化・人口減少していく自分たちの町を、持続可能な社会とするために、中学校の教師・生徒・保護者・町の人々が自分たちで考え、努力して未来を作っていく物語です。マンガで読みやすいですし、ストーリーもよくできていて、続きが気になってしまい、全3巻を一気に読んでしまいました。

各章の最後には『未来の社会を考えるビジネス書』の紹介があり、ぜひ、この後、りさおも読んでみたいと思います。

『学習指導要領』って何?

出典:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm

「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。

実際の学校の授業は、「学習指導要領」をもとに、教師が個々の教育課程(カリキュラム)を組んで、行われます。本書では、美術の時間に、1人1台のタブレット端末を用いて、自分たちの町のよいところをアピールするためのポスターをグループで作って発表し、お互いを批評するということをやっていました。

時代の変化とともに教育すべき内容も変わるので、約10年に1回改訂され、小学校は2020年度から新学習指導要領がスタートとなりました。本書によると、今回の核となる考え方は

『よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る(つくる)』という『社会に開かれた教育課程』

とのことです。

新しい時代に求められる資質・能力

出典:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm

引き続き、本書はマンガで図解しながら、「学習指導要領」の説明を続けます。新しい時代に求められる資質・能力の3つの柱として、

  • 知識および技能
  • 思考力・判断力・表現力など
  • 学びに向かう力・人間性など(→やり抜く力?行動力?自己肯定感?レジリエンス?)

を挙げて、これらを育むことによって、英語や数学などの各教科の能力だけでなく、

変化の激しい社会で、現実的な問題を見つけて、それに対して力を合わせて解決できる

人を育てて、よりよい社会を創るということだそうです。これは、「非認知能力」の育て方~心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育~にあるような、『認知能力』だけでなく、『非認知能力』をのばす教育をしましょうという文部科学省からのメッセージのように思われました。

「学習指導要領」改訂の背景にある『地方創生』『Society 5.0』『SDGs』『STEAM教育』

出典:https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/

本書により、社会を知らずして教育ができる訳がないということを痛感しました。りさおが『SDGs』という言葉を知ったのは恥ずかしながら2019年のことであり、『STEAM教育』(STEM + Art)なんて1ヶ月前に初めて知りました。本書にはこれらの言葉についても、マンガで分かりやすく説明されており、ストーリーにもうまく取り込んでいます。

世界的に『持続可能な社会』を創ることが求められており、国際連合でも2015年にSDGs (Sustainable Development Goals :持続可能な開発目標)が採択され、日本も含めて世界の国々の政策の拠り所のかなりの部分を占めています。企業もSDGsに沿った活動が求められており、無視できない状況です。そんな中で、

『持続可能な社会』を創る能力のある人を育てる

ことが教育者として求められています。SDGsをそのままあてはめると、

貧困をなくし、環境問題にも適切に対処し、男女間・人・国家間の平等に明るく、働きがいをもって経済成長に貢献し、海と陸の豊かさを守ることのできる(直訳!?)

人を育てることが求められており、そのためには、教育者(学校の先生もこどもの親も含む、社会を構成するすべての人)もSDGsに詳しくなっておく必要があるのだなと感じました。

2020年以降の日本の小学校、中学校、高校でどのような教育が行われようとしているのかが分かります

出典:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm

本書のマンガの中で、中学校の授業での、1人1台のタブレットを用いたアクティブラーニングの具体例が出てきており、『学校ではこんな授業が行われるのだな』ということが分かります。学校のシーンを読んでいると、授業参観をしている親の気分にもなれます。

というか、このマンガで描かれているような教育が、実際に全国の公立小中学校で実践できたら、日本の国力が上がりそうな気がします。

他者と協力して物事をやりとげるための心構え、具体例を面白く分かりやすく掲載

この本のすごいところは、全3巻のストーリーを楽しく読むと、上記の、現代を生きる上での基本的事項を網羅できる点にあります。もちろん、実践するためには、各章の最後のお勧めビジネス書を読んだり、実際にアクティブラーニングに参加したりする必要があるのは思いますが、自分の人生を豊かにするために、こどもを持つ親だけでなく、すべての人に超お勧めの本(全3巻)です。

育児書としては、こどもが小学校に入るまでには、ぜひ読んでおきたい一冊(3冊)です。


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